伊仏合弁STMicroelectronicsは、無線通信MCU「STM32WB」に廉価な2製品を加えた(ニュースリリースブログ)。スタンダードライン製品の「STM32WB15」とバリューライン製品の「STM32WB10」である。

STM32WB製品の主な仕様と今回の新製品
今回の新製品は赤枠で囲った、スタンダードライン製品の「STM32WB15」とバリューライン製品の「STM32WB10」の2つである。(出所:STMicroelectronics)
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 2製品どちらも、既存のSTM32WB製品と同じく2つのCPUコアを集積する。アプリケーション処理を担う「Arm Cortex-M4F」(動作周波数64MHz)と無線通信プロトコル処理を担う「Arm Cortex-M0+」(動作周波数32MHZ)である。一方でメモリー容量や機能は、既存品から絞ることで低価格化を図った。例えば、フラッシュメモリー容量は320Kバイト、SRAM容量は48Kバイト(うち36Kバイトはハードウエア・パリティー・チェック付き)にとどまる。また、サポートする無線通信方式はBluetooth Low Energy(BLE) 5.2のみで、既存製品がサポートするZigbeeやOpenThreadには対応していない。

 新製品は大量購入時のチップ単価が2米ドル未満という低価格に加えて、消費電力が低いことも特徴である。例えば、STM32WB15はシャットダウンモードの消費電流は12nA。待機モード(リルタイムクロックを動作させて48KバイトのSRAMの内容保持)は610nA。動作時(RF回路とDC-DCコンバーター稼働)で33μA/MHzと低い。

 STM32WB15とSTM32WB10の仕様には複数の違いがある。例えば、STM32WB15はDC-DCコンバーターとLDOを集積するが、STM32WB10はLDOのみ。このため、電源電圧はSTM32WB15が1.7V~3.6Vなのに対して、STM32WB10は2.0V~3.6Vである。また、どちらも12ビットのA-D変換器を集積するが、STM32WB15の速度は2.5Mサンプル/秒なのに対して、STM32WB10は2.13Mサンプル/秒にとどまる。BLEの通信速度はSTM32WB15が最大2Mビット/秒だが、STM32WB10は最大1Mビット/秒である。

「STM32WB15」の機能ブロック図
(出所:STMicroelectronics)
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「STM32WB10」の機能ブロック図
(出所:STMicroelectronics)
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 2製品どちらも、7mm×7mmの48ピンQFNパッケージに封止される。両製品とも量産出荷中で、1万個購入時のチップ単価はSTM32WB15が1.9157米ドルから、STM32WB10は1.3985米ドルからである。