東芝デバイス&ストレージは、外形寸法が9.9mm×11.68mm×2.3mmと小さいTOLLパッケージに封止した+650V耐圧のスーパージャンクション(SJ)型パワーMOSFETを発売した(ニュースリリース)。D2PAKに封止していた同社従来品(外形寸法は10.35mm×15.3mm×4.46mm)に比べると、実装面積を約27%、実装高さを約48%削減できる。このため「電源回路の小型化と低背化に貢献する」(同社)という。具体的な応用先は、サーバーなどのデータセンター機器の電源モジュールや、太陽光発電用パワーコンディショナー、無停電電源装置(UPS)などである。

TOLLパッケージに封止した+650V耐圧のSJ型パワーMOSFET
(出所:東芝デバイス&ストレージ)
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 新製品には特徴がもう1つある。ケルビンソース接続を採用したことだ。これによって新製品では、「3端子TO-247パッケージに封止した当社従来品と比べると、スイッチング損失をターンオン時に約68%、ターンオフ時に約56%減らすことが可能になった。この結果、電源回路の変換効率を高められる」(同社)という。ケルビンソース接続とは、ソース端子を2つに分離し、一方は大きな電流が流れるメイン経路として使い、もう一方はゲート駆動信号のリターン経路として利用する接続手法である。端子数が3つから4つに増えるが、リターン経路の寄生インダクタンスを低減でき、スイッチング損失の低減が可能になる。

 同社最新のMOSFETプロセス技術「DTMOSVI(ディー・ティー・モス・シックス)」で製造した。最大ドレイン電流やオン抵抗、全ゲート電荷量(ゲート入力電荷量)などの違いで5製品を用意した。5製品いずれもnチャネル品である。オン抵抗が最も低い製品は「TK065U65Z」で、65mΩ(ゲート-ソース間電圧が+10Vのときの最大値)である。今回発売した5製品の主な特性は下表のとおりである。

新製品の主な仕様
(出所:東芝デバイス&ストレージ)
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 すでに量産出荷を始めている。インターネット通販会社における1000個購入時の参考単価は3.47米ドルである(2021年3月16日現在)。