米Efficient Power Conversion(EPC)は、GaN(窒化ガリウム)トランジスタ(FET)とゲートドライバー回路を1チップに集積した電力変換段IC「EPC2152」を発売した(ニュースリリース)。GaNトランジスタによるハーフブリッジ回路(ハイサイドスイットとローサイドスイッチで構成)に加えて、ロジックインターフェース回路やレベルシフト回路、ブートストラップ回路、ゲートドライバー用バッファー回路などを同社独自の「GaN IC」技術を使って集積した。一般に、GaNトランジスタはスイッチング動作が高速なため、ゲート駆動の設計が難しいとされている。今回、GaNトランジスタとゲートドライバー回路を一緒に集積することで、この問題を解決したとする。同社のCEOであるAlex Lidow氏によると、「GaN-on –Silicon技術で製造した新製品を使えば、高い電源性能を小さい実装面積と少ないエンジニアリングリソースで実現できる」という。

GaNトランジスタとゲートドライバーを集積したIC。
Efficient Power Conversionの写真
[画像のクリックで拡大表示]

 GaNトランジスタの耐圧は+80Vで、最大出力電流は12.5Aである。PWM信号の最大周波数(スイッチング周波数)は3MHz。+48V入力の直流(DC)電力を+12VのDC電力に変換する降圧型DC-DCコンバーターや、昇圧型DC-DCコンバーター、絶縁型LLC共振コンバーター、モーター駆動、オーディオ用D級(クラスD)アンプなどに向ける。例えば、+48V入力、+12V出力、1MHzスイッチングの降圧型DC-DCコンバーターを構成した場合、ピーク周波数は96%超が得られるという。プリント基板上の実装面積は、ディスクリート部品で構成した場合に比べて33%削減できるという。

 オン抵抗はハイサイドスイッチとローサイドスイッチどちらも10mΩ(標準値)である。ゲートドライバーのオン時とオフ時の伝搬遅延時間はハイサイドスイッチとローサイドスイッチどちらも20ns(標準値)。PWM信号入力の最小パルス幅は20ns(標準値)。出力ノードにおけるスイッチング時間は1ns(標準値)である。PWM信号は、+3.3V振幅のCMOSロジック形式と、+15V振幅のアナログコントローラー出力形式の両方に対応する。

 ハイサイドスイッチとローサイドスイッチの電源供給に対する低電圧ロックアウト機能を用意した。パッケージは、外形寸法が3.9mm×2.6mm×0.63mmのチップスケールLGA。動作接合部温度範囲は−40~+150℃。1000個購入時の米国での参考単価は5.03米ドル。開発ボード「EPC90120」も用意している。米国での参考単価は123.75米ドルである。

 同社は今後1年以内をめどに、GaNトランジスタとゲートドライバーを集積したICの品ぞろえを拡充する計画である。最大スイッチング周波数が3M~5MHzで、最大出力電流が15~30AのICを製品化する予定である。