三菱ケミカルは、高い耐熱性と強度を両立した炭素繊維プリプレグ(樹脂を含浸させた中間基材)を開発した。ベースレジン(樹脂)にシアネートエステル系樹脂を採用し、耐熱性を250℃以上に高めた。高温環境下で使われるロボットや宇宙・航空機部品への利用が期待できる。

 同社は、原料と触媒の組み合わせ技術を駆使して新たなシアネートエステル系樹脂を開発。その樹脂をベースレジンに使用し、炭素繊維の特性であるしなやかさや高い靭(じん)性を損なわずに耐熱性を向上させたという(図)。

図:新開発のプリプレグと従来品の比較
耐熱性は250℃以上、伸び率は8%以上を実現した。(出所:三菱ケミカル)
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 従来の炭素繊維強化樹脂(CFRP)では、耐熱性と強度がトレードオフの関係にあった。開発品は耐熱性と強度の両立により、例えば、自動車のエンジン回りの部材のニーズに対応できる。既にレーシングカーのエンジン周辺の部材として採用されているという。

 一般的なエポキシ樹脂ベースのCFRPと同じ型で硬化できるのも開発品の利点。新開発のシアネートエステル系樹脂は従来のものに比べて保存安定性に優れるため、加工もしやすいという。同社は、自動車の他、ロボットなどの産業機械分野、宇宙・航空分野に向けても開発品を販売する計画だ。