米Qorvoは、データセンター機器やクラウドコンピューター機器、SSD(Solid State Drives)などに向けたシステム電源(パワーマネジメント)IC「ACT85610」を発売した(ニュースリリース)。特徴は、大電流出力が可能な複数のDC-DCコンバーター回路などに加えて、同社が「PLP(Power Loss Protection)」と呼ぶ機能を搭載したこと。PLPは、電源入力に何らかの不具合が発生したときに、一時的に電力供給をバックアップする機能である。外付けのコンデンサーを利用する。通常動作時に昇圧型充電回路(充電電圧は+5~31V)を使ってコンデンサーに蓄えておき、電源入力に不具合が発生したときは、補助用の降圧型DC-DCコンバーター回路(Supplement Buck)を介して大電流出力が可能な複数のDC-DCコンバーター回路などに電力を供給する仕組みである。

データセンター機器やクラウドコンピューター機器、SSDなどに向けたシステム電源IC。
Qorvoのイメージ
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 新製品に集積したDC-DCコンバーター回路は以下の通り。最大4A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路を3個、最大2A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路を1個、最大1A出力の昇圧型コンバーター回路を1個、最大100mA出力の降圧型DC-DCコンバーター回路を1個、そして最大300mA出力のLDOレギュレーター回路を1個集積した。DC-DCコンバーターの電力出力段を構成するMOSFETはすべて集積している。このほか、バック・ツー・バック接続でMOSFETによる電子ヒューズ(eFuse)も内蔵した。

 入力電圧範囲は+2.7~14V。+3.3Vや+5V、+12Vなどの中間バス電圧を入力電力源に想定する。最大4A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路と、最大2A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路のフィードバックループの制御方式には、コンスタントオン時間(COT)方式を採用した。出力電圧は、+0.6~12Vの範囲で設定できる。スイッチング周波数は最大2.25MHzである。変換効率は最大で96%が得られるという。7本の汎用入出力(GPIO)や、8チャネル入力が可能な12ビットA-D変換器などを搭載した。このA-D変換器を使って、電圧や電流、温度などのパラメーターを測定したり、監視したりすることができる。パッケージは、実装面積が6mm×6mmの52端子QFN。動作接合部温度範囲は−40~+150℃である。価格は明らかにしていない。

 このほか、最大6A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路を2個、最大4A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路を2個、最大0.5A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路を1個、最大0.6A出力の昇降圧型DC-DCコンバーター回路を1個集積したシステム電源IC「ACT86600」も併せて発売した。PLP機能は搭載していない。パッケージは、実装面積が6mm×6mmの48端子QFN。動作接合部温度範囲は−40~+150℃である。価格は明らかにしていない。