ロームは、+600V耐圧スーパージャンクション(SJ)型パワーMOSFETの新シリーズを発売した ニュースリリース 。応用先の機器は、電気自動車(EV)用充電ステーションやサーバー、5G用基地局、エアコン、冷蔵庫などである。

+600V耐圧のSJ型パワーMOSFETの新シリーズ
+600V耐圧のSJ型パワーMOSFETの新シリーズ
(出所:ローム)
[画像のクリックで拡大表示]

 今回の新シリーズの特徴は、同社の従来シリーズと同様に集積したダイオードの逆回復時間が短いことと、同社従来シリーズに比べてオン抵抗を最大35%削減したことである。「競合他社品と比べると、逆回復時間は約13%短く、オン抵抗は約20%低い」(同社)。このため、応用機器に搭載されたLLC共振コンバーターやウィーン整流器、インバーター、モーター駆動回路などの電源回路に適用すれば、導通損失とスイッチング損失の両方を抑えられ、変換効率が高まる。

新製品のオン抵抗-逆回復時間特性
新製品のオン抵抗-逆回復時間特性
新製品と競合他社品(一般品)の逆回復時間とオン抵抗を比較した。新製品と一般品はいずれもTO-220FMパッケージ封止品である。(出所:ローム)
[画像のクリックで拡大表示]

 新シリーズは、同社のスーパージャンクション型パワーMOSFET「PrestoMOS(プレストモス)」に含まれるもの。PrestoMOSは、デバイス内部に発生するキャリアーのライフタイムを制御する同社独自技術を適用しており、逆回復時間が短いことがウリモノである。例えば、TO-220DFMパッケージ封止品では、順方向電流が30Aのときに105ns(標準値)、8Aのときに92ns(標準値)と逆回復時間は短い。「いずれも業界最短である」(同社)。

 ただし既存のPrestoMOS製品は、オン抵抗を削減するために製造技術を微細化すると、逆回復時間が長くなる課題を抱えていた。今回同社は、技術の詳細は明らかにしていないが、製造プロセス技術を改善することで短い逆回復時間と低いオン抵抗を両立させたという。

 新シリーズの名称は「R60xxVNxシリーズ」である。まず、パッケージや逆回復時間、オン抵抗が異なる7製品を発売した。パッケージの選択肢はTO-252(DPAK)、TO-220FM(TO-220FP)、TO-220AB、TO-247AD(TO-247)の4つ。逆回復時間の範囲は68n〜125ns(順方向電流が8Aのときの標準値)。オン抵抗の範囲は42m〜180mΩ(ゲート-ソース間電圧が+15Vのときの標準値)である。

新シリーズの製品ラインアップ
新シリーズの製品ラインアップ
(出所:ローム)
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば、オン抵抗が95mΩ、逆回復時間が92nsのTO-220FM封止品「R6035VNX」の特性は以下の通り。最大ドレイン電流は、DC時に17A、パルス時に105A。全ゲート電荷量は50nC(標準値)。入力容量は2400pF(標準値)。出力容量は80pF(標準値)。最大動作接合部温度は+150℃である。

 7製品いずれも量産を始めている。サンプル価格は990円/個(税込み)である。