伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、同社独自の適応型(アダプティブ)アルゴリズムを採用した2次側同期整流用制御IC「SRK1001」を発売した(ニュースリリース)。スイッチング電源(AC-DCコンバーター)の2次側回路に用いるダイオードをパワーMOSFETに置き換える用途に向けたものだ。フライバック型の電源回路トポロジーを採用するスイッチング電源に使える。同社によると、「適応型アルゴリズムを採用したことで、高速なターンオンと最小の遅延時間を実現できるようになった。この結果、同期整流用パワーMOSFETの導通時間を最大化できるようになり、スイッチング損失の削減、すなわち変換効率の改善が可能になった」という。このほか、部品点数や実装面積の削減や、電源回路設計の簡略化も実現できるとする。具体的な応用先は、ACアダプターや、バッテリー充電器、USB PD(Power Delivery)対応コネクター、照明用電源などである。

適応型アルゴリズムを採用した2次側同期整流用制御IC。STMicroelectronicsのイメージ
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 フライバック・コンバーターの動作モードは、擬似共振(QR)モードと、連続導通モード(CCM)/不連続導通モード(DCM)の混合(ミックス)モードに対応する。最大スイッチング周波数は300kHz。電源電圧範囲は+3.7〜32V。外付けの同期整流用nチャネル型パワーMOSFETの駆動能力は、シンク(吸い込み)時に最大1A、ソース(吐き出し)時に最大0.6Aである。ディセーブル/同期専用端子を搭載しているため、同期整流用パワーMOSFETをオフにして外部からの制御信号で低消費電力モードに移行させたり、CCMモードで動作中の同期整流用パワーMOSFETをオフさせたりすることが可能である。外付けパワーMOSFETのドレイン-ソース間電圧(最大+185Vまで)をモニターする機能を備える。

 このほか新製品は、軽負荷時の変換効率を改善する工夫を盛り込んだ。一般に、同期整流方式は、負荷が軽くなればなるほど、電力損失削減のメリットが薄れてくる。今回は、同期整流用パワーMOSFETの導通時間が設定した最小オン時間に達するか、もしくは1次側のスイッチング電源用制御ICがバースト・モード動作に入ったことを検知すると、自動的に低消費電力モードに移行する機能を搭載した。低消費電力モードにおける自己消費電流は160μAと少ない。パッケージは8端子SOP。動作接合部温度範囲は−40〜+150℃。1000個入時の米国での参考単価は約0.33米ドルである