ルネサスエレクトロニクスは2021年3月30日、先進運転支援システム(ADAS)の車載用フロントカメラ、および運転者監視カメラ向けのSoC(System on Chip)「R-Car V3H」用の電源ICソリューションを発表した。

 最大42V入力対応の同期整流型降圧プリレギュレーター「RAA271050」と、7チャネルのパワーマネジメントIC(PMIC)「RAA271000」を組み合わせる。いずれも同日にサンプル出荷を開始しており、同年7月に量産する。

「R-Car V3H」向け電源ICを発売
(出所:ルネサスエレクトロニクス)
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 同期整流型降圧プリレギュレーターは、電池からの12V電源を入力すると、3.3Vまたは5.0Vの電圧に降圧する。これをPMICに入力すると、R-Car V3Hが必要とするCPUやLPDDR4メモリーなどの周辺機能で求められるさまざまな電圧に降圧し、7チャネル出力する。

 同期整流型降圧プリレギュレーターとPMICはいずれも「ISO26262」規格に準拠して開発されている。PMICは安全監視機能を内蔵しているため、外付けのマイコンなしでも電源供給、監視、保護の機能を実現し、「ASIL-D」までのシステム安全要件に対応できる。

 外付けマイコンが不要なため、部品コストと基板面積を削減できる。「この2チップ構成による電源ソリューションは、ルネサスの電源設計の専門知識を生かして開発した。R-Car V3Hを使用するユーザーに向けて大幅なコスト削減を実現する」(同社車載アナログパワー&ビデオ事業部、Vice PresidentのNiall Lyne氏)という。

 電力効率にも優れており、他社のPMICを使用した場合に比べて、同等の動作条件で電力損失を最大33%低減できる。電力損失が低いため、より高い温度で使用した場合でも、冷却コストを削減し信頼性を向上できるという。また、これらの電源ICを搭載したR-Car V3H用のリファレンスボードも提供する。これにより、ユーザーの設計時間の短縮と、テスト要件の低減が可能とする。