新日本無線は、「業界最小サイズを実現した」というSiCショットキー・バリアー・ダイオード(SBD)を開発した(ニュースリリース)。外形寸法が4.0mm×6.5mm×0.9mmと小さいTO-277Aパッケージに封止した製品で、最大定格電圧は+650V、最大定格電流は10Aである。

 同社によると、Si材料を使うファスト・リカバリー・ダイオードを今回の新製品で置き換えることで、電力損失の削減とスイッチング動作の高速化を実現できるという。電源やモーター駆動機器などに向ける。力率改善(PFC)回路の出力ダイオードや、電源回路のフリー・ホイール・ダイオードなどとして使う。

外形寸法が4.0mm×6.5mm×0.9mmと小さいSiCダイオード
(出所:新日本無線)
[画像のクリックで拡大表示]

 パッケージ内部の構造を工夫することで、小型化と同時に低熱抵抗化も実現した。熱抵抗は2.2℃/W(標準値)と低い。具体的には、CuフレームにSiC SBDチップを直接実装する構造を採用した。同社は「Cuクリップボンディング構造」と呼ぶ。「この構造を使えば、ワイヤボンディングを使う場合に比べて、CuフレームとSiC SBDチップとの接触面積と接触断面積を大きくできるため、熱抵抗を低く抑えられると同時に配線抵抗を削減できるようになった」(同社)。

パッケージ内部の構造
(出所:新日本無線)
[画像のクリックで拡大表示]

 順方向電圧降下(VF)は+1.5V(順方向電流が10Aのとき)に抑えた。逆回復(リカバリー)時間は10ns(逆方向電圧が400Vのとき)と短い。このため、「電源やモーター駆動機器に適用した場合、導通損失やスイッチング損失を低減できる」(同社)という。量産は2021年7月に始める予定。サンプル価格は550円(税込み)である。