ヤマハ発動機は2021年4月12日、電気自動車(EV)向けに最高出力が350kWの駆動用モーターを開発したと発表した(図1)。モーターとギアボックス、インバーターを一体化した電動アクスルに仕上げたのが特徴だ。

図1 電動アクスルの試作品
図1 電動アクスルの試作品
最高出力は350kWである。(出所:ヤマハ発動機)
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 同社は20年2月から出力35~200kWの駆動用モーターの試作開発を受託してきた。新たに350kWクラスの電動アクスルを投入し、高出力車両向けの需要を開拓する。車両に複数の電動アクスルを搭載する用途を想定する(図2)。

図2 車両への搭載イメージ
図2 車両への搭載イメージ
最高出力350kWの電動アクスルを4基配置した。(出所:ヤマハ発動機)
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 同社の技術・研究本部 AM開発統括部 業務部 部長の原田浩之氏は「20年に発表した駆動用モーターには多くの問い合わせがあり、具体的に(受託開発に)進んでいるものもある。高出力車両向けの需要もあるため、従来の200kWクラスより高出力な電動モーターの開発に至った」と話した。

 今回、モーター単体ではなく電動アクスルの形にしたのは、スタートアップからの受託獲得を強く意識したためだ。「新たにEVを造りたいという顧客に対し供給できれば、(自動車市場への参入の)ハードルを下げられる」(原田氏)とする。現時点で量産の計画はなく、顧客に合わせて少量を試作品として提供する。

 各部品の冷却方式には、モーターとギアボックスに油冷、インバーターに水冷を採用した。油冷の制御には、「当社が培ってきたエンジンの解析技術や加工技術を活用した」(同社の技術・研究本部 AM開発統括部 第2技術部 部長の原隆氏)という。