ザインエレクトロニクスは、医療用カメラに向けた小型トランスミッターIC「THCV243」を発売した(ニュースリリース)。最大4レーンのMIPI CSI-2信号を入力とし、これを1つにまとめて同社独自インターフェース規格の「V-by-One HS」信号として出力する。MIPI CSI-2入力信号の最大データ伝送速度は1レーン当たり1.2Gビット/秒。V-by-One HS出力信号の最大データ伝送速度は4.0Gビット/秒である。

 同社によると、「現在、医療用カメラと画像処理プロセッサーとのインターフェースにはMIPI CSI-2が主に用いられている。このMIPI CSI-2は伝送可能な距離が30cm程度と短いという問題があった。今回の新製品を使えば、200万画素、60フレーム/秒の医療用カメラの出力信号を1本のケーブルを使って最大10m程度伝送できるようになる」という。医療用カメラのほか、ウエアラブル機器やロボット、ドライブレコーダー、監視カメラなどに使える。

医療用カメラに向けた小型トランスミッターIC。ザインエレクトロニクスの写真
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 V-by-One HSは、CML(Current Mode Logic)方式を採用した差動インターフェース技術である。クロックエンベデッド(クロック埋め込み)技術と、シグナルコンディショニング技術を採用することで最大4Gビット/秒のデータ伝送速度を実現した。今回の新製品であるトランスミッターICにはプリエンファシス技術を搭載している。このほか、双方向通信チャネル「Sub-Link」を備える。これはI2Cバス、もしくは汎用入出力(GPIO)を最大4本束ねて、1対の差動信号として伝送するもの。なお、Sub-LinkはV-by-One HS信号と同じケーブルで送ることができるため、専用のケーブルを用意する必要はない。

 スペクトラム拡散クロック発生器(SSCG)を内蔵した。電源電圧は+1.7〜3.6Vと+1.1〜1.3V。パッケージは、実装面積が2.1mm×2.9mmと小さい35端子CSPである。「類似する競合他社品と比べると、実装面積は1/4程度に抑えられる」(同社)。動作温度範囲は−40〜+105℃。価格は明らかにしていない。