米Cree(クリー)は、オン抵抗を抑えた+650V耐圧のSiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETを5製品発売した(ニュースリリース)。いずれもnチャネル品である。オン抵抗とパッケージの違いで5製品を用意した。5製品のうち2製品は、オン抵抗が15mΩ(ゲート-ソース間電圧が+15Vのときの標準値)である。パッケージが3端子TO-247の「C3M0015065D」と、4端子TO-247の「C3M0015065K」を用意した。残る3製品はオン抵抗が60mΩ(ゲート-ソース間電圧が+15Vのときの標準値)。パッケージが3端子TO-247の「C3M0060065D」と、7端子TO-263の「C3M0060065J」、4端子TO-247の「C3M0060065K」である。

 新製品の特徴は、オン抵抗を抑えたため導通損失を低減できることに加えて、「スイッチング損失を競合他社品に比べて最大20%削減できる」(同社)こととする。このため、電源回路の変換効率や出力電力密度を高められる。電気自動車(EV)に搭載するオンボードチャージャー(車載充電器)や、データセンター用電源装置、太陽光発電システム用インバーター装置などに向ける。

新製品(60mΩ品)と競合他社品を使って昇圧型DC-DCコンバーター回路をそれぞれ構成し、変換効率を比較した。新製品の方が、広い負荷範囲にわたって0.2~0.3ポイント高い変換効率が得られた。なお、「Wolfspeed」はCreeのパワー半導体とRF半導体の製品ブランド名である。
Creeの資料
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 同社独自のプロセス技術「第3世代C3M SiCテクノロジー」で製造した。オン抵抗が15mΩ品の最大ドレイン電流は120A。60mΩ品の最大ドレイン電流は、36Aもしくは37Aである。例えば、15mΩ品の特性は以下の通りである。全ゲート電荷量は188nC(標準値)。入力容量は5011pF(標準値)。出力容量は289pF(標準値)。帰還容量は31pF(標準値)。ターンオン時の遅延時間は22ns(標準値)で、ターンオフ時は58ns(標準値)。立ち上がり時間は125ns(標準値)。立ち下がり時間は25ns(標準値)。ボディーダイオードを利用した際のスイッチングエネルギーは、ターンオン時は1500μJ(標準値)、ターンオフ時が700μJである。

 5製品いずれも、車載用ディスクリート半導体の品質規格「AEC-Q101」に準拠する。動作接合部温度範囲は−40〜+175℃。価格はいずれも明らかにしていない。

 同社は、発売したSiCパワーMOSFETを搭載したリファレンスデザインを複数用意している。具体的には、電池の充電に向けた6.6kW出力の双方向コンバーター「CRD-06600FF065N」、昇降圧型Dc-DCコンバーター「KIT-CRD-3DD065P」、LLC共振方式を採用した6.6kW出力のDC-DCコンバーター「CRD-06600DD065N」、2.2kW出力のトーテムポール型力率改善(PFC)回路「CRD-02AD065N」である。