アイシンやデンソーなどが共同出資するブルーイーネクサス(愛知県安城市)は2022年4月13日、同社初となるeAxle(イーアクスル)がトヨタ自動車の新型電気自動車(EV)「bZ4X」に採用されたと発表した。

 採用されたのは、前輪(フロント)用の最高出力150kW品と同80kW品、後輪(リア)向けの80kW品である。

トヨタ「bZ4X」に採用されたイーアクスル
トヨタ「bZ4X」に採用されたイーアクスル
(出所:ブルーイーネクサス、アイシン、デンソー)
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 イーアクスルはモーター、インバーター、トランスアクスルを一体化した電動駆動モジュール。モーターをアイシン、インバーターをデンソーがそれぞれ開発し、ブルーイーネクサスがシステム統合を担当した。アイシンの安城第1工場(愛知県安城市)で生産する。

 インバーターを一体化したブルーイーネクサスのイーアクスルとしては第1世代品に当たり、従来品に比べて小型化や低損失化、動力性能の向上を図った。前輪用ではモジュールの前後方向の長さを従来品に比べて110mm短縮して410mmとしたほか、後輪用では高さを303mmに抑えることで車内空間や荷室空間の拡大を可能とした。損失に関しては、従来に比べて約10%減らした。

さまざまな技術で小型化、低損失化
さまざまな技術で小型化、低損失化
(出所:ブルーイーネクサス、アイシン、デンソー)
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 インバーターにはRC(リバースコンダクティブ)型と呼ぶSi(シリコン)製IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を採用した。従来のSi製IGBTとダイオードを組み合わせた方式に比べて、素子を小型化・低コスト化できるという。なお、低損失のSiC(炭化ケイ素)を使う方式もあるが、今回はコスト低減のために安価なSi製を採用した。

 インバーターを内蔵するイーアクスルでは、放熱が大きな課題となる。今回はインバーターの素子を両面から効率的に水冷するデンソー独自の技術や、シミュレーション技術を活用したモジュール全体の熱マネジメント技術によって、放熱特性を向上させた。

 モーターは永久磁石の配置を最適化したほか、角型断面コイルの配線端部をレーザー溶接する技術を改良することで、小型化・低損失化を実現した。

 ブルーイーネクサスは19年に設立した電動化システムおよび電動駆動モジュールの開発販売会社で、アイシンが45%、デンソーが45%、トヨタが10%を出資する。なお、アイシンは04年に初めてハイブリッドトランスミッションを発売して以来、500万台以上の電動ユニットを手掛けてきた。デンソーは97年の初代「プリウス」発売時から2000万台以上のインバーターを開発生産してきた実績がある。

ブルーイーネクサスの位置付け
ブルーイーネクサスの位置付け
(出所:ブルーイーネクサス、アイシン、デンソー)
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