米Transphorm(トランスフォーム)は、同社の第4世代に当たるGaN(窒化ガリウム)パワートランジスタ(FET)を開発し、サンプル出荷を始めた(ニュースリリース)。特性やパッケージが異なる2製品を用意した。PQFN88パッケージ封止でオン抵抗が240mΩ(ゲート-ソース間電圧が+8Vのときの標準値)の「TP65H300G4LSG」と、3端子TO-247パッケージ封止でオン抵抗が35mΩ(ゲート-ソース間電圧が+8Vのときの標準値)の「TP65H035G4WS」である。どちらもnチャネル品。JEDECが定める品質規格や車載用ディスクリート半導体の品質規格「AEC-Q101」に準拠する。具体的な応用先は、ACアダプター、サーバー用電源、通信機器用電源、産業機器用電源、再生可能エネルギー用インバーター装置などである。

PQFN88パッケージに封止したTP65H300G4LSG。
Transphormの資料
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 同社によると、「前世代品と比較して性能、応用設計の容易性、コストを改善した」という。性能については、オン抵抗と出力電荷量(QOSS)の積である性能指数(FOM:Figure of Merit)を10%改善した。このため、電源回路に適用した際の変換効率を高められる上に、広い負荷範囲にわたって変換効率の変化をフラットにできるとする。応用設計の容易性については、「今回の新製品を使えば、スイッチングノードに取り付けるスナバー回路を不要にできる」(同社)という。コストについては、「デバイス設計の改良と、組み立てに関する独自技術の採用で、Si材料を使うパワーデバイスのコストに近づけた」と主張する。ただし、具体的なコスト低減幅は明らかにしていない。

 PQFN88封止のTP65H300G4LSGの最大ドレイン電流は連続時に6.5A。ドレイン-ソース間の過渡耐圧(V(TR)DSS)は+725Vを確保した。全ゲート電荷量は9.6nC(標準値)。出力電荷量は19nC(標準値)。入力容量は760pF(標準値)。出力容量は16pF(標準値)。帰還容量は2pF(標準値)である。3端子TO-247のTP65H035G4WSの最大ドレイン電流は連続時に46.5A。ドレイン-ソース間の過渡耐圧は+725V。全ゲート電荷量は30nC(標準値)。出力電荷量は150nC(標準値)。入力容量は1500pF(標準値)。出力容量は147pF(標準値)。帰還容量は5pF(標準値)である。動作温度範囲はどちらも−55〜+150℃。すでにサンプル出荷を始めている。量産出荷の時期は、TP65H300G4LSGが2020年第2四半期、TP65H035G4WSは2020年第3四半期を予定している。

 なお同社は、第4世代以降のGaN パワートランジスタに対して「SuperGaN」というブランド名を使用することを併せて発表した。