耐火物用コーティング材を開発・製造するINUI(愛知県常滑市)は、新たな営業手法として「アルミ重力鋳造専門コスト削減オンライン相談窓口」を開設した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて在宅勤務に切り替えた企業や、社員の外出を控えている企業を対象とする。生産量を減らしたり生産ラインを停止させたりしている間に原価低減と不良率改善に向けた対策を講じることで、事態収束後に「ロケットスタートを切れる」(同社)という。

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 同社は、鉄鋼・鋳物・窯業で使われる高温用断熱材の耐久性を高めるコーティング材「リフテクト」シリーズを展開する。コーティング材によって高温域での収縮を抑え、耐スケール性や耐摩耗性、耐風速性を向上させることにより、断熱材の交換頻度や部品コストを下げられる。新たに開設した窓口では、ビデオ会議サービス「Zoom」などを利用して無料で相談を受け付け、同シリーズなどを用いたコスト削減策を提案する。

 例えば、鋳湯作業で使うラドルやペリカンについて「補修時間が長く、多数のストックを確保しなければならない」という課題を抱える企業には、補修時間を3週間から3日に短縮する案を提示できる。「リフラクトリーセラミックファイバー(RCF)フリーの断熱材を利用したら耐久性が下がった」という悩みには、ペリカンの耐久時間を10倍に延ばし、交換コストと作業時間を低減する方法を提案できるとする。

 同社によると、日本の鋳造業界は7割が自動車関連。新型コロナウイルスの感染拡大の影響から多くの企業が生産量を減らしており、従来にも増して製造コストを見直す機運が高まる見通しだ。アルミ重力鋳造は溶湯の保温に断熱材が使われているため、同社のコーティング材技術によってコスト削減と不良率の改善を目指せるという。同社は、感染拡大の収束を待つだけでなく「今できることをやることがアフターコロナの命運を分ける」として、相談窓口を開設した。

 これまで同社は、あいち産業科学技術総合センターや名古屋工業大学などとの共同研究に取り組んできた。2006年の創業から現在まで約50社に製品を納入し、ユーザーのエネルギー・作業・資材コストの低減や不良率低減を支援している。例えば豊田自動織機から、ラドルやペリカン、ホッパーについて「長持ちさせたい」「補修の頻度を減らしたい」「業者に修理を依頼すると時間がかかる」「人手不足で作業工程を減らしたい」という改善要望を受け、補修作業とコーティングを提案。その結果、豊田自動織機は最短1日で補修を完了できるようになったという。