フランス・ダッソー・システムズ(Dassault Systemes)のオープンイノベーション・ラボ「3DEXPERIENCE Lab」は、医療従事者向けのフェースシールドの設計を流体解析技術で支援している。2020年4月16日、日本法人のダッソー・システムズ(東京・品川区)が発表した。人がくしゃみをしたときに起きている現象をシミュレーションで再現する。開発中または既に使われているフェースシールドの有効性と、設計の改善案を検討できる()。

図:くしゃみシミュレーションの結果
(出所:ダッソー・システムズ)
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 液体や空気の流れを解析する非定常シミュレーションツール「SIMULIA PowerFLOW」(関連記事1)を用いて、くしゃみの流体解析を実施する。患者モデルの口から吐き出される呼気の速度を時間の関数とし、飛沫の粒径や分布特性などの公開データを活用した。

 シミュレーション結果のグラフィカルな表示(動画)により、患者モデルからくしゃみで放出される唾液粒子の軌跡の他、医療従事者モデルが装着しているフェースシールド表面への唾液粒子の付着状態、フェースシールドの内側や医療従事者モデルの周辺に流れ込むエアロゾルも確認できる。シールドの全長や幅、人と人の距離といったさまざまなパラメーターの影響について、迅速な検討が可能とする。

 3DEXPERIENCE Labは新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、この他にも複数の取り組みを進めている。設計者やシミュレーションの専門家などのプロジェクトメンバーをデータ管理基盤「クラウド版 3DEXPERIENCEプラットフォーム」(関連記事2)上でつなぎ、アイデアの検討と絞り込み、設計・製造課題の解決を図れるという。