リコー電子デバイスは、4〜7セルのLiイオン/Liポリマー2次電池を直列に接続した電池パックの監視や保護に向けたアナログ・フロント・エンド(AFE)ICを発売した。新製品は、各セルの電圧監視機能や、外付けの電流検出抵抗を使った双方向電流監視機能、外付けのNTCサーミスターを使った温度監視機能などを備える。これらの機能で取得した電圧、電流、温度の情報は、12ビットA-D変換器でデジタル信号に変換し、後段のマイコンなどに送る。そしてマイコンにおいて、充電電流の調整や、充放電停止、過充電/過放電の判定などの制御を実行する。電動工具や、ロボット掃除機、コードレス掃除機、電動アシスト自転車、電動バイク、ドローン、パワーストレージ(大容量蓄電装置)などに向ける。

4〜7セルのLiイオン電池監視用アナログ・フロント・エンドIC
(出所:リコー電子デバイス)
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 同社によると、「これまでは、マイコンを使わずにスタンドアローンの専用ICで過充電/過放電からLiイオン2次電池を保護するケースが多かった。いわゆるハード保護である。しかし最近は、マイコンとAFE ICを組み合わせて、Liイオン2次電池を保護する手法への移行が進んでいる」。従来のハード保護では、過放電や過充電が発生した場合、充電や放電を停止させるという単純な制御しか実現できなかった。一方、マイコンとAFE ICを組み合わせれば、過充電/過放電を検出するしきい値電圧を温度によって変更したり、過充電の発生状況に応じて充電電流を徐々に少なくしたりするなどのきめ細かな制御が可能になる。

 新製品の型番は「R5602L」。+40Vの高耐圧プロセスで製造した。各セルの電圧監視機能の入力電圧は+1.5〜4.5V。電圧監視誤差は±30mV(最大値)。セルバランス機能を搭載しているため、各セルの端子電圧をそろえることが可能だ。充放電の停止を実現する外付けのnチャネル型MOSFETを制御/駆動する回路を内蔵した。外部インターフェースはI2CとSPIを用意。このほか「回路的な工夫によって、電池パックにセルを実装する際の接続順の制約をなくしたため、製造工程の簡略化が図れるようになった。従来は、電位が1番低いセルから順番に接続しなければならなかったり、電位が1番高いセルは最後に接続しなければならなかったりする制約があった。こうした制約を守らないとICが誤動作したり破壊したりする可能性があった」(同社)という。

新製品の内部ブロック図
(出所:リコー電子デバイス)
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 動作時の消費電流は150μA(標準値)、待機時は1.0μA(最大値)。パッケージは、外形寸法が5.0mm×5.0mm×0.8mmの32端子QFN。動作温度範囲は−20〜+85℃。すでにサンプル出荷を始めている。1000個購入時の参考単価は550円(税込み)である。