伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、静電気放電(ESD)保護ダイオードを集積する車載機器向けコモン・モード・フィルターを2製品発売した(ニュースリリース)。Si(シリコン)基板にコモン・モード・フィルターを作り込み、そこにESD保護ダイオードも集積した。

 特徴は、外形寸法が2.6mm×1.35mm×0.75mmと小さいことだ。コモンモード雑音を除去するために一般的に使われているコモン・モード・チョーク・コイルやLTCC(Low Temperature Cofired Ceramic)素子よりも外形寸法が小さい上に、ESD保護機能も取り込んだため、プリント基板上の実装面積を大幅に削減できるとしている。自動車に搭載するカメラやレーダー、ディスプレー、マルチメディア機能などを接続する高速なデータインターフェースの雑音除去とESD保護に向ける。具体的な応用先は、ADAS(Advanced Driver Assistance System)機器などである。

静電気放電(ESD)保護機能を備えた車載用コモン・モード・フィルター
STMicroelectronicsのイメージ
[画像のクリックで拡大表示]

 車載用ディスクリート半導体の品質規格「AEC-Q101」に準拠する。発売した2製品は、ディファレンシャル成分とコモンモード成分に対する周波数特性が異なる。ディファレンシャル成分に対しては低域通過フィルターとして機能し、コモンモード成分に対してはノッチフィルターとして機能する。「ECMF04-4HSM10Y」は、ディファレンシャル成分に対するカットオフ周波数は2.2GHz。HDMI 1.4やUSB 3.1、MPIなどのデータインターフェースに対応できる。コモンモード成分に対する減衰量は、0.7GHzにおいて−20dB、0.8G〜0.9GHzにおいて−25dB、1.5GHzにおいて−14dBである。LTEやGSM、GPSなどのRF信号による影響を抑えられる。

 「ECMF04-4HSWM10Y」は、ディファレンシャル成分に対するカットオフ周波数は3.5GHzと高い。LVDSやDisplayPort,USB 3.1、HDMI 2.0などのデータインターフェースに対応できる。コモンモード成分に対する減衰量は、2.4GHzにおいて−30dB、5GHzにおいて−16dBである。無線LAN(Wi-Fi)やBluetoothのRF信号による影響を抑えられる。

 ESD耐圧は2製品共通で、接触放電モデルで±8kV、気中放電モデルで±15kVを確保した。ESDに関する「ISO 10605」規格や「IEC 61000-4-2」規格をクリアできる。パッケージは10端子QFN。動作温度範囲は−55〜+125℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の参考単価は0.20米ドルである。