ロームは、+600V耐圧のIGBTモジュールを発売した(ニュースリリース)。特徴は、放射電磁ノイズ(EMI)を競合他社の一般品に比べて6dB(ピーク時)削減した点にある。エアコンや洗濯機、冷蔵庫といった白物家電や、産業用ロボットや産業用コンプレッサーなどに向ける。

EMIを低減した600V耐圧IGBTモジュール
EMIを低減した600V耐圧IGBTモジュール
(出所:ローム)
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 新製品はいわゆるインテリジェント・パワー・モジュール(IPM)で、3相分のハイサイド(上側)用IGBTとローサイド(下側)用IGBTのほか、ハイサイド用とローサイド用の2つのゲートドライバー、ブートストラップダイオード、回生用ファスト・リカバリー・ダイオード(FRD)を1つのモジュールに収めた。新製品を使えば、3相インバーター回路を構成できる。

 同社によると、「IGBT搭載IPMの開発では、インバーター回路の電力損失削減を優先するあまり、EMI特性が悪化するケースが多く、EMI特性の改善が求められていた」という。今回は、内蔵するIGBTとファスト・リカバリー・ダイオードの特性を最適化することで、競合他社の一般品に比べてEMIを6dB(ピーク時)削減した。このため、インバーター回路のEMI対策が容易になるほか、外付けのEMIフィルターの簡略化が可能になるという。電力損失は、同社従来品に比べて6%削減した(スイッチング周波数が150kHz、定格電流が15A品の場合)。「電力損失低減を優先させた競合他社の一般品と同等レベルを達成できた」(同社)としている。

EMI特性と電力損失の比較
EMI特性と電力損失の比較
左図は、新製品と競合他社一般品のEMI特性を比較。右図は、新製品と同社従来品、競合他社一般品の電力損失を比較した。(出所:ローム)
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 新製品の型番は「BM6337xシリーズ」。最大定格電流とパッケージの違いで8製品を用意した。最大定格電流の選択肢は10A、15A、20A、30Aの4つ。パッケージは、外形寸法が38.0mm×29.4mm×3.5mmのHSDIP25と、38.0mm×33.7mm×3.5mmのHSDIP25VCの2種類を用意した。8製品すべてに、検出誤差が±2%と小さい温度モニター機能を搭載した。「競合他社の一般品が搭載している温度モニター機能の検出誤差は±5%だった。このため、高精度な温度測定が必要な場合は、サーミスターを外付けする必要があった。新製品を使えば、サーミスターの外付けが不要で、部品点数や設計工数を減らせる」(同社)。製品ラインアップは下表の通りである。

製品ラインアップと各製品の主な仕様
製品ラインアップと各製品の主な仕様
(出所:ローム)
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 すでに量産を始めている。量産規模は月産10万個。サンプル価格は3000円(税込み)である。今後同社は、IGBT搭載IPMの製品ラインアップの拡充と、車載機器対応品の開発に取り組むとしている。