米オン・セミコンダクター(ON Semiconductor)は、Wi-Fi 6Eに対応したチップセット「QCS-AX2」を発表した(ニュースリリース)。2.4GHz帯と5.0GHz帯を使うIEEE 820.11 axを「Wi-Fi 6」と呼んでいるが、それに6GHz帯の使用を含めたIEEE 820.11 axをWi-Fi 6Eと呼ぶ(関連記事「Wi-Fi 6に6GHz帯が追加されWi-Fi 6Eへ」)。

「Wi-Fi 6E」に対応したチップセット
ON Semiconductorのイメージ
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 ON SemiconductorはWi-Fi 6対応のチップセットとして「QSR10G-AX」を現在、提供している。QSR10G-AXはベースバンド処理ICの「QT10GU-AX」と複数のRF ICからなる。新製品のQCS-AX2はQSR10G-AXのWi-Fi 6E対応版になり、同じくベースバンド処理ICとRF ICからなる。今回、QCS-AX2のベースバンド処理ICは3製品が発表された。「QCS-AX2-A12」(以下A12)、「QCS-AX2-T12」(同T12)、「QCS-T8」(同T8)である。

 これら3つの新しいベースバンド処理ICは、いずれもMU-MIMOに対応できる。3つのうちA12にはAdaptive-MIMO技術が採用されており、現在は、2.4GHz帯の4×4MIMOと5GHz帯の8×8 MIMOという、デュアル・バンド・モードで稼働できる。今後、6GHz帯が使用可能になった場合、ソフトウエアのアップグレードにより、2.4GHz帯の4×4 MIMOと5GHz帯の8×8 MIMO、6GHz帯の8×8 MIMOという、トライ・バンド・モードでの稼働が可能になる。なお、ON Semiconductorによれば、米国では2020年中に6GHz帯が使用可能になるという。

 T12ではAdaptive-MIMO技術が採用されておらず、2.4GHz帯の4×4 MIMOと5GHz帯の4×4 MIMO、6GHz帯の4×4MIMOが可能というトライ・バンド・モードでのみ稼働する。A12に比べてT12ではコスト効率が高いシステムを構成できるという。

 T8でもAdaptive-MIMO技術は採用されていないが、MU-MIMOで8空間ストリーム(Spatial Stream)のさまざまな構成をサポートできるという。例えば、8×8 MIMOや、2つの4×4 MIMOといった構成に対応可能だとする。T8はコンパクトなアクセスポイントやメッシュネットワークのリピーターに向くという。

 新製品のQCS-AX2のRF ICは2種類ある。1つは2.4GHz用で、もう1つは5GHzと6GHz用。前者はWi-Fi 6向けチップセットのQSR10G-AXに含まれる「QT6210X」である。後者のRF ICと上述したWi-Fi 6E対応のベースバンド処理ICは、現在、サンプル出荷中という。サンプル出荷中のこれらICの量産出荷時期や価格は発表されていない。