伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、自動車のドアを一括して施錠/開錠制御できるIC「L99UDL01」を発売した(ニュースリリース)。自動車に搭載されているボディー制御モジュール(BCM:Body Control Module)から出力される制御信号を受けて、自動車のドアの施錠、開錠を中央制御する。6個のMOSFETハーフブリッジ回路と2個のハーフブリッジ制御回路(外付けのnチャネル型MOSFETハーフブリッジ回路を制御)を集積した。これらを使うことで、最大で5つのドアと、1つの給油口(給油リッド)の施錠、開錠を制御できる。新製品を使うことで、従来必要だったモータードライバーICやアナログIC、受動部品がいらなくなり、設計の簡略化やプリント基板上の実装面積の削減を実現できるとしている。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠する。

自動車のドアを一括して施錠/開錠制御できるIC
STMicroelectronicsのイメージ
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 集積した6個のMOSFETハーフブリッジ回路のオン抵抗は、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチどちらも90mΩ(標準値)である。駆動電流の範囲は1〜4Aで、200mAステップで設定可能。駆動電流の誤差は±15%である。2個のハーフブリッジ制御回路は、外付けのnチャネル型MOSFETにオン抵抗が低く最大ドレイン電流が大きな素子を選べば、より大きな駆動能力が得られる。6個のMOSFETハーフブリッジ回路と2個のハーフブリッジ制御回路はそれぞれ独立して負荷を駆動できるほか、最大3個のMOSFETハーフブリッジ回路を並列に接続することで駆動能力を高めることが可能だ。PWM出力電流の最大周波数は25kHz。オン時間や駆動方向(シンクもしくはソース)、駆動電流、オフ時のフォールト検出などは、ユーザーがプログラムできる。10ビット分解能の駆動電流フィードバック機能を備えているため、負荷の状態をチェックすることが可能である。

 自動車に事故などが起きたとき、マイコンから緊急モードに移行する信号を受け取ると、ICの自己保護機能が働いていたとしても緊急モードの命令を最優先に実行する安全機能を搭載した。例えば、緊急時には、バッテリーの出力電圧を考慮することなく、開錠動作を実行し続ける(電流を流し続ける)ことが可能になる。このほか、過電流保護機能や負荷のオープン保護機能、バッテリーへの短絡保護機能、グラウンドへの短絡保護機能などを備える。外付けマイコンとの接続や動作診断などに向けて動作周波数が4MHzの24ビットSPIインターフェースを用意した。電源電圧範囲は+6〜18Vと+2.5〜5.5V。パッケージは、実装面積が10mm×10mmの64端子TQFP。動作接合部温度範囲は−40〜+175℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の参考単価は3.63米ドルである。