村田製作所は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型電子機器に向けた過熱検知用PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスターを開発した(ニュースリリース)。外形寸法は0.6mm×0.3mm×0.3mm(いわゆる0603サイズ品)と小さい。同社従来品である1005サイズ品(1.0mm×0.5mm×0.5mm)と比べて、体積を約80%、実装面積を約70%削減した。「セラミック材料の組成や焼成方法を改良することで小型化した。過熱検知用PTCサーミスターとしては業界最小」(同社)という。

スマートフォンなどに向けた過熱検知用PTCサーミスター
(出所:村田製作所)
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 新製品の型番は「PRF03BB541NB7RL」。室温(+25℃)での抵抗値は540Ωだが、+115℃では4.7kΩに、+135℃では47kΩに急激に上昇する。この特性を利用して過熱を検知する。温度が室温に下がれば、抵抗値も自動的に540Ωに戻るため、繰り返し使える。このほか同社によると、「体積が小さいため高速な応答が可能なことや、電気接点がないためオン/オフ時にノイズが発生しないこと、外付け部品が不要なことなどのメリットがある」という。最大動作電圧は+32V。使用温度範囲は−20〜+150℃である。新製品の主な特性は下表の通りである。

新製品の主な特性
(出所:村田製作所)
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 新製品の量産は2021年6月に開始する。価格は明らかにしていない。今後同社は、抵抗値が急激に上昇する検知温度が異なる製品を市場に投入することで、製品ラインアップの拡充を図るという。