伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、放射線耐性を備えた宇宙用途向けショットキー・バリアー・ダイオードを8製品発売した(ニュースリリース)。ピーク繰り返し逆電圧(VRRM)が45Vの製品が2つ、150Vの製品が3つ、200Vの製品が2つ、400Vの製品が1つである。400V品を除く7製品は、2つのダイオードを集積し、それぞれをカソード共通(コモンカソード)で接続したもの。400V品は、1つのダイオードを収めたものである。8製品すべて、欧州宇宙標準協会(ESCC:European Space Components Coordination)が定めた仕様を満足する。45V品と150V品については、SEB(Single Event Burnout)耐量を保証したことが特徴だ。具体的には、線エネルギー付与(LET:Linear Energy Transfer)が最大61MeVcm2/mgのときにSEBの発生なしを保証する。同社によると、「ショットキー・バリアー・ダイオードではSEB耐量の規定は業界初」という。

放射線耐性を備えた宇宙用途向けショットキー・バリアー・ダイオード
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 人工衛星などに搭載する電子機器の電源回路に向ける。「DC-DCコンバーターのさまざまな回路トポロジーに対応できる」(同社)という。例えば、昇圧型や降圧型、昇降圧型などである。入力の電力源については、150V品であれば宇宙衛星で使用されている100Vの電源バスに、45V品であれば28Vの電源バスに適用できる。順方向電圧降下(VF)は150V品が0.75V(最大値)、45V品が0.61V(最大値)と低いため、電源回路の変換効率を改善できる。製造技術には、車載用ディスクリート半導体の品質規格「AEC-Q101」準拠品に向けたプレーナー型プロセス技術を転用した。このため、「高い製品品質を達成できる」(同社)と主張する。

 45V品は、順方向電流が20Aのダイオードを2つ集積したTO-254AAパッケージ封止品「STPS40A45C」と、40Aのダイオードを2つ集積したSMD.5パッケージ封止品「STPS80A45CV」を用意した。TO-254AAパッケージは挿入実装に、SMD.5パッケージは表面実装に対応する。150V品は、順方向電流が20Aのダイオードを2つ集積したTO-254AAパッケージ封止品「STPS40A150C」と、30Aのダイオードを2つ集積したSMD.5パッケージ封止品「STPS60A150C」、40Aのダイオードを2つ集積したSMD.5パッケージ封止品「STPS80A150C」の3つである。200V品は、順方向電流が20Aのダイオードを2つ集積したTO-254AAパッケージ封止品「STTH40200C」と、30Aのダイオードを2つ集積したSMD1パッケージ封止品「STTH60200C」。400V品は、順方向電流が60Aのダイオードを1つSMD1パッケージに封止した「STTH60400」である。

 8製品すべて、トータル・イオン・ドーズ(TID)効果に対して最大3Mrad(Si)を確保した。動作温度範囲は−65〜+175℃。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。