明電舎と子会社の明電システムソリューション(静岡県沼津市、以下MSS)、中央労働災害防止協会(以下、中災防)の3者は共同で、労働災害を仮想現実(VR)で疑似体験できる教育システム「VR安全体感教育」のコンテンツを拡充する。新たに「ロール機への巻き込まれ」に関するコンテンツを開発し、2022年5月25日から提供する予定だ()。

図 「ロール機への巻き込まれ」コンテンツの1シーン
図 「ロール機への巻き込まれ」コンテンツの1シーン
(出所:明電舎)
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* 明電舎のニュースリリース: https://www.meidensha.co.jp/news/news_03/news_03_01/1239561_2469.html

 VR安全体感教育は、受講者が装着したヘッドマウントディスプレー(HMD)にWi-Fi経由でVRコンテンツを映し出し、労働災害を疑似体験するシステム。3軸シミュレーターを併用すれば、VR画像と連動した傾きや揺れ、衝撃を体感できる。新たに追加する「ロール機への巻き込まれ」コンテンツは、誤った作業方法によって発生する危険な状況をVRで再現するもの。受講者は、労働災害を安全に疑似体験しながら危険の臨場感を記憶し、事故に対する感受性を高められるという。

 VR安全体感教育としては、現在、「溶接作業での火災」「電動工具での感電」「高所からの工具落下」「タンク内での窒息」「粉塵(ふんじん)爆発」など11のコンテンツを用意している。3社は今後、年間4本程度のコンテンツを共同開発していく計画で、「クレーンによる挟(はさ)まれ」「フォークリフトによる激突」などのコンテンツを順次、ラインアップに追加するという。開発に当たっては、中災防がさまざまな業種における労働災害発生のシナリオを作成し、それを元に明電舎とMSSがコンテンツを制作する。

 明電舎は2008年から、グループの従業員を対象に、16年からは出張教育として社外向けにも安全体感教育を展開。これまでに延べ2万7000人以上が同社の安全教育を受講した。同社は、そのノウハウを元にVR安全体感教育を開発。社内と社外の製造業・建設業を対象とした安全教育に用いている。

 一方の中災防は、製造業を中心に多様な業種に向けて安全教育を提供しており、その1つである「危険体感教育実践セミナー」では、21年から明電舎の安全体感教育のコンテンツを活用しているという。明電舎・MSSと中災防が共同でコンテンツを開発することで、さまざまな分野で働く人の「労働安全衛生意識の向上に寄与できる」と3者は見る。