ロームは2020年5月21日、出力配線を自由に設計できるCMOSの高速オペアンプ「BD77501G」を開発したと発表した。産業機器や自動車のセンサー部に向ける。

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BD77501G
(出所:ローム)

 従来の高速オペアンプは、 nFオーダーの出力負荷があると発振してしまうため、配線や周辺部位の設計に制約が生じていた。出力負荷の影響を受けない同製品は自由な配線が可能で、ユーザーの負荷容量起因の設計工数の削減が見込まれる。

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出力配線の従来品との比較
(出所:ローム)

 出力配線の無制約化は、新しく搭載した「ナノキャップ技術」の出力安定化により実現した。同技術は、オペアンプ内の配線抵抗と寄生容量を最小化するというもの。配線抵抗は、増幅段を通常の4段から3段に減らす回路設計技術で対応した。寄生容量の減少には、オペアンプ内のラインの干渉を小さくするレイアウト技術や、素子自体の寄生容量値を減らすプロセス技術を活用した。

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出力負荷容量と位相余裕の関係、従来品との比較
(出所:ローム)

 同社のオペアンプシリーズ「EMARMOUR」の新製品という位置付け。同シリーズの特長である高いノイズ耐量も引き継いでいるため、競合製品の入出力回路周辺に必要な抵抗とコンデンサーで構成するCRフィルターが不要となる。今回新たに出力配線が自由になったことで、設計工数や設計費用のさらなる削減を見込める。同製品は同年3月よりサンプル出荷を開始しており、同年10月から当面の間月産100万個の体制で量産を行う予定。サンプル価格は500円/個(税別)。