米Vicor(バイコー)は、+48Vの入力電圧を+12Vに降圧変換して出力する非絶縁型DC-DCコンバーターモジュール「DCM3717」を発売した(ニュースリリース)。現在、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、データーセンター機器、産業機器などでは、電力の配電バスを+12Vや+24Vなどから+48Vに高める動きが本格化している。電圧を高めることで電流量を減らし、配電バスの抵抗成分による電力損失を削減することが目的だ。EVやHEVでは、+48Vの車載電源規格「LV148」が策定されている。データセンター機器では、業界団体「Open Compute Project(OCP)」が定めた「Open Rack Standard V2.2」で+48Vの配電用バックプレーンが採用されている。新製品は、こうした+48Vの配電バスを入力とし、+12Vに降圧して後段のPOL(Point Of Load)コンバーターに給電する役割を担う。特徴は、変換効率が97%と高いことにある。

+48Vを+12Vに変換する効率97%の非絶縁型DC-DCコンバーター
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 2つの電圧変換段で構成した。1段目は、ゼロ電圧スイッチング方式を採用した昇降圧型DC-DCコンバーター回路。2段目は、同社独自の「Sine Amplitude Converter」を利用した電流マルチプライヤー回路である。入力コンデンサーや出力コンデンサーは内蔵した。入力電圧範囲は+40〜60Vで、安全特別電圧(SELV)の範囲内である。出力電圧は+10.0〜13.5Vの範囲内で、ユーザーが設定できる。入力電圧変動(ラインレギュレーション)と負荷変動特性(ロードレギュレーション)はいずれも0.1%(標準値)。最大出力電力は連続時に750W、すなわち最大出力電流は62.5Aである。スイッチング周波数は最大1MHz。PMBusを搭載しており、これ使って各種パラメーターを監視することが可能だ。今回の新製品は最大で4個並列に接続して運転することが可能で、出力電力を最大3kWまで高められる。パッケージは、外形寸法が36.7mm×17.3mm×7.42mmと小さい同社独自の「SM-CHiP(Surface-Mount Converter housed in Package)。動作温度範囲は−20〜+125℃。重量は19.5gである。

 このほか、出力電圧を安定化する機能を持たず、+48Vの入力電圧を+12Vに固定の比率で変換する非絶縁型DC-DCコンバーターモジュール「NBM2317」も併せて発売した。最大出力電力は800Wと大きく、外形寸法は23mm×17mm×7.4mmと小さい。DCM3717と比較すると体積は31%減である。変換効率は最大で97.9%が得られる。

 2製品どちらも、すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。