ヤマハ発動機は、現行機種に比べて剛性や耐環境性能を高めたリニアコンベアモジュール「LCMR200」を2020年7月1日に発売する。リニアコンベアモジュールは、小型の搬送品が多い電気・電子部品や車載部品の組立工程で使われているが、使い勝手を向上させたので、より多くの業界で適用しやすくなるという。

図1:「LCMR200」
スライダー長は198mm、スライダー間の最小ピッチは210mm、最大ストロークは25.5m。(出所:ヤマハ発動機)
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 リニアコンベアモジュールは、リニアモーターとスライダー、コントローラーを1セットとしたモジュールタイプの搬送装置。リニアモーターによるダイレクト駆動と、磁気式アブソリュート位置センサーによる位置検出を採用し、従来のベルトコンベアーやローラーコンベアーに比べて高速での搬送と高精度な停止・位置決めを可能にした。スライダーで部品を搬送する他、スライダー上での組立・加工にも対応する(図2)。モジュールの数を追加/削減することでラインの長さを調整できるので、ラインを組み替えやすい。

図2:「LCMR200」の導入イメージ
高速での搬送や逆走、スライダー上での作業などの機能をモジュールごとに持たせて、ラインを構築する。(出所:ヤマハ発動機)
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 新機種では、現行機種「LCM-X」の構造を見直し、使いやすさを高めた。まず、モジュールのほぼ全長を架台に直接設置してリニアガイドを支持する構造とした。併せて、リニアガイドやスライダーのガイドブロックを大きくして強度を高めている。同時に、異物などの侵入や電気的ノイズといった環境に対する耐性も向上させた。

 加えて、ケーブルの取り出し方向を正面/背面から選べるようになった。これによって電気配線を含めたレイアウトの自由度が向上。往復ラインを構築する場合は、面積効率が高まる。さらに、スライダーの乗り継ぎ精度の調整を簡易化した循環ユニットを開発した。同ユニットにより、乗り継ぎの安定性と耐久性が高まるという。

 最大可搬質量は15kgで、繰り返し位置決め精度は±5μm。任意の1点に複数のスライダーを順次停止させる場合、実際の停止位置には機差(誤差幅)が生じるが、LCMR200ではスライダー間の機差を±30μmとした。最高速度は2500mm/秒。ただし、搬送質量が10kgを超えると質量に応じて2000mm/秒まで下がる。本体断面のサイズ(最大)は幅175×高さ109mmで、モジュール長は200/300/500/1000mmから選べる。

 最大64台のスライダーの動作を統合制御できるコントローラー「YHX」シリーズには、コントローラー内のプログラミング作業を不要にする新機能「スタンダードプロファイル」を追加した。この機能を利用すれば、上位のPLC(Programmable Logic Controller)からLCMR200や単軸ロボットをポジショナーとして制御でき、自動化設備の構築が容易になるとしている。