伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、視野角内にある複数の物体を検出し、それぞれの物体までの距離を測定できるToF(Time of Flight)センサーモジュール「VL53L3CX」を発売した(ニュースリリース)。同社のToFセンサーモジュール製品ファミリー「FlightSense」に含まれるもので、今回の製品は第3世代品という位置付けである。同社が独自開発した「ヒストグラムアルゴリズム」を採用することで、複数物体の検出と、それぞれの物体までの距離測定を可能にした。さらに、このアルゴリズムを使うことで、カバーガラスによるクロストークに対する耐性を高めることや、カバーガラスに付着した指紋の影響を取り除くこと、視野角内に漂うホコリの影響を除去することなどが可能になったとしている。産業用ロボットやロボット掃除機、ドローン、スマートビルディング機器、スマート照明器具などに向ける。

視野角内にある複数の物体を検出し、それぞれの物体までの距離を測定できるToFセンサーモジュール
STMicroelectronicsのイメージ
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 発光波長が940nmの面発光型半導体レーザー(VCSEL)と専用チップを1つのパッケージールに収めた。パッケージは12端子オプティカルLGAで、外形寸法は4.4mm×2.4mm×1mmmmである。専用チップには、単一光子アバランシェダイオード(SPAD:Single Photon Avalanche Diode)やマイコン、測距用演算コア、不揮発性メモリー、VCSEL用ゲートドライバー回路などを集積した。測定可能な距離は2.5cm〜3mである。「従来の赤外線センサーとは異なり、距離測定時に対象物体の色や反射率の影響は受けない」(同社)という。視野角(FOV:Field Of View)は25度(標準値)である。さらに、「測距時のリニアリティー(線形性)が向上したため、特に短い距離を測定する際の精度を高められた」(同社)としている。従って、ロボット掃除機などに適用した場合、壁や段差(崖)をいち早くかつ高精度に検出できるようになるという。

 最大動作周波数が1MHzのI2Cインターフェースを搭載した。電源電圧は+2.6〜3.5V。消費電流は、アクティブ時に18mA(最大値)、ハードウエアスタンバイ時に7μA(最大値)、ソフトウエアスタンバイ時に9μA(最大値)。動作温度範囲は−20〜+85℃である。すでに量産を始めている。参考単価は1.70米ドルである。