ロームは、耐圧が+80Vと高く、最大出力電流が5Aと大きい降圧型DC-DCコンバーターICを発売した。+48Vの電源レールを入力とする用途に向ける。同社によると、「+48Vの電源レールに向けた降圧型DC-DCコンバーターICとしては、業界最高クラスの耐圧を実現した」という。具体的な応用先は、5G(第5世代移動通信システム)対応の無線通信基地局やサーバー、電気自動車(EV)向け充電ステーション、電動工具などである。

耐圧が+80Vと高く、最大出力電流が5Aと大きい降圧型DC-DCコンバーターIC
(出所:ローム)
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 同社独自の高耐圧BiCDMOS(バイポーラー、CMOS、DMOS)プロセス技術で製造した。ハイサイドスイッチはMOSFET、ローサイドスイッチはダイオードであり、どちらも集積した。いわゆるダイオード整流方式(非同期整流方式)を採用する。同社によると、「これまでも最大出力電流が5Aと大きい競合他社品が製品化されていたが、最も高い耐圧は+65Vだった。新製品では、耐圧を約20%高めた。一方で、耐圧が+76Vと今回の新製品に近い競合他社品もあるが、最大出力電流は3Aと少なかった。高耐圧化と大電流化を同時に実現したため、競合他社品に比べてより広範囲の用途に使えるようになった」という。

80V耐圧の新製品と競合他社品と比較
耐圧と出力電流について、+80V耐圧の新製品「BD9G500EFJ-LA」と競合他社品を比較した。(出所:ローム)
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 新製品の型番は「BD9G500EFJ-LA」。フィードバックループの制御方式は電流モード方式を採用した。入力電圧(VIN)範囲は+7~76V。出力電圧は+1V~0.97×VINの範囲で設定できる。スイッチング周波数の設定範囲は100k~650kHz。変換効率は、2~5Aの出力電流範囲で85%を超える変換効率が得られるという。パッケージは、外形寸法が4.9mm×6.0mm×1.0mmのHTSOP-J8。動作温度範囲は−40~+125℃である。

39耐圧で5A出力のDC-DCコンICも発売

 今回、ロームは、耐圧が+39Vで、最大出力電流が5Aと大きい降圧型DC-DCコンバーターIC「BD9F500QUZ」を併せて発売した。+24Vの電源レールを入力とする用途に向ける。具体的な応用先は、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)や、インバーターなどの産業機器である。

 特徴は、外形寸法が3.0mm×3.0mm×0.4mmと小さいVMMP16LZ3030パッケージに封止したことだ。従来品(6.0mm×4.0mm×0.8mm)に比べると、実装面積を約60%削減できる。さらにスイッチング周波数を2.2MHzと高い値に設定したため、1.5μHと小さいインダクター(コイル)を使えるようになり、DC-DCコンバーター回路全体の実装面積を約85%、実装高さを約75%減らすことが可能になったとする。

+39V耐圧の新製品を競合他社品と比較
+39V耐圧の新製品「BD9F500QUZ」と競合他社品を、パッケージ寸法、基板上の実装面積などで比較した。(出所:ローム)
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 同期整流方式を採用する。フィードバックループの制御方式は、固定オンタイム制御方式で、同社独自のNano Pulse Control技術を適用した。入力電圧範囲は+4.5~36V。出力電圧範囲は0.6~14V。スイッチング周波数は2.2MHzのほか、0.6MHzと1.0MHzにも設定可能だ。動作温度範囲は−40~+85℃である。

 今回発売した2つの製品はどちらも、すでに月産10万個規模で量産を始めている。サンプル価格はどちらも550円(税込み)。評価ボードも用意した。「BD9G500EFJ-EVK-001」と「BD9F500QUZ-EVK-001」である。どちらもインターネット通販会社で購入できる。