旭化成エレクトロニクスは、「ETC 2.0」仕様に準拠した車載器向け5.9GHz対応RFトランシーバーIC「AK1554」を開発し、2020年12月に販売を開始すると発表した(ニュースリリース)。ETC 2.0は、自動車に載せた車載器と、高速道路に設置したITSスポットとの間で双方向通信することで、路車協調システムによる運転支援サービスを実現するための規格である。通信速度は高く、既存のETC規格の4倍に相当する4Mビット/秒である。

 新製品の特徴は、送信用パワーアンプと受信用低雑音アンプ(LNA)に加えて、受信用のIF(中間周波数)フィルターを内蔵した点にある。この結果、「隣接選択度をIC単体で規定できるようになり、ARIB STD-T75規格に準拠する車載器の設計が簡略化できるようになった」(同社)という。同社従来品「AK1553」では、受信用IFフィルターは内蔵していなかった。

ETC 2.0仕様に準拠した車載器向け5.9GHz対応RFトランシーバーIC
旭化成エレクトロニクスの写真
[画像のクリックで拡大表示]

 ASK(Amplitude Shift Keying)とQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)という2つの変調方式に対応したモデム(変調器/復調器)を集積した。このため、信号処理用のベースバンドICとの間で、送受信信号をデジタルインターフェースでやり取りできる。送信用パワーアンプや受信用LNA、IFフィルターなどのパラメーターは、内蔵したレジスターを使って設定できるため、車載器のRFケーブルによる挿入損失に合わせて送信電力や受信感度を調整可能である。パッケージは実装面積が7.0mm×7.0mmの48端子HVQFN。動作温度範囲は−40〜+85℃である。

 このほか、既存のETC仕様に準拠した車載器向け5.9GHz対応RFトランシーバーIC「AK1554E」も併せて発売した。2020年5月に販売を始める。AK1554Eも、送信用パワーアンプと受信用LNA、受信用IFフィルターを内蔵した。このため隣接選択度をIC単体で規定できる。集積したモデムの変調方式は、ASKのみに対応する。送信電力は最大+14dBm。受信感度は−70dBm(標準値)。電源電圧は+3.15〜3.45V。パッケージは実装面積が7.0mm×7.0mmの48端子HVQFN。動作温度範囲は−40〜+85℃である。

 2製品どちらも、価格は明らかにしていない。