リコー電子デバイスは、太陽電池(光発電素子)に特化した蓄電用昇圧型DC-DCコンバーターICを発売した。特徴は、太陽電池の出力が+0.35Vと低い値で起動し、その後出力電圧が+0.2V(最小値)に低下しても動作し続けられる点にある。このため、単セルの太陽電池の出力電圧を昇圧して、外付けの電池やコンデンサーに電力を蓄えることが可能になる。出力電圧が低いアモーファスSi太陽電池や色素増感太陽電池を蓄電に使える。具体的な応用先は、太陽電池のほか、熱電変換素子や振動発電素子を電源とするIoT対応機器である。

太陽電池に特化したエナジーハーベスト向け昇圧型DC-DCコンバーターIC
(出所:リコー電子デバイス)
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 起動用と通常動作用の昇圧型DC-DCコンバーター回路を1チップに集積することで、低い入力電圧での起動や動作を可能にした。最小起動電力は9μWである。このため、照度が低い環境でも電力を回収できる。変換効率は、入力が+0.5V、出力が+2.6V/5μAのときに66%が得られるという。無負荷時の消費電流は600nA(標準値)と少ない。

新製品の変換効率特性
図中の「003A_s3」は出力電圧が+2.6Vのとき、「005A_s3」は+4.5Vのときである。(出所:リコー電子デバイス)
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 新製品の型番は「R1810シリーズ」である。入力電圧範囲は+0.2~2.1V。出力電圧は固定で、+2.3~4.5Vの範囲で製品購入時に指定する。太陽電池の出力電力を最大化する最大電力点制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking)機能や逆流防止機能、入力/出力電圧のパワーグッド信号出力機能などを備える。新製品の主な仕様は下表の通りである。

新製品の主な仕様
(出所:リコー電子デバイス)
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 パッケージは、外形寸法が2.88mm×1.68mm×0.36mmの15端子WLCSPと、3.5mm×2.7mm×0.6mmの14端子DFNを用意した。動作温度範囲は−40~+85℃。すでにサンプル出荷を始めている。1000個購入時のサンプル価格は770円(税込み)である。