米Maxim Integrated(マキシムインテグレーテッド)は、電気2重層コンデンサーやコンデンサーバンク(複数のコンデンサーを並列接続した蓄電装置)などを使うバックアップ電源に向けた双方向DC-DCコンバーターICを発売した。同社は「リバーシブルDC-DCコンバーターIC」と呼ぶ。今回の新製品は、電源入力をバックアップ電源に充電する際は降圧型DC-DCコンバーター回路として機能し、バックアップ電源に蓄えた電力を放電して出力する際は昇圧型DC-DCコンバーター回路として機能する。降圧型と昇圧型の間は、自動的に移行する。具体的な応用先は、バーコードスキャナーや監視カメラ、家電機器、車載機器、産業用オートメーション機器、ヘルスケアIoT機器などである。

バックアップ電源向け双方向DC-DCコンバーターICの応用例
(出所:Maxim Integrated)
[画像のクリックで拡大表示]

 新製品の特徴は2つある。1つは、降圧型DC-DCコンバーター回路(充電時)と昇圧型DC-DCコンバーター回路(放電時)のどちらも、ピーク変換効率は94%に達すること。同社によると、「競合他社品に比べると変換効率を9ポイント高められる」という。もう1つの特徴は、双方向DC-DCコンバーター回路全体の実装面積を218mm2に抑えられることである。競合他社品は606mm2が必要なため、新製品を使えば実装面積を約1/3に削減できる。

新製品の内部ブロックと応用回路
(出所:Maxim Integrated)
[画像のクリックで拡大表示]

 新製品は同社のDC-DCコンバーターファミリー「Continua」に含まれる製品で、型番は「MAX38889」である。ハイサイドとローサイドのスイッチング素子(MOSFET)はどちらも集積した。ハイサイドのオン抵抗は57mΩ(標準値)、ローサイドは42mΩ(標準値)である。入力電圧(VSYS)範囲は+2.5〜5.5V。バックアップ電源の充電電圧範囲は+0.5〜5.5Vである。最大充電電流は3Aである。外付けするインダクターに流れるピーク電流に対する電流制限機能を用意しており、そのしきい値は1〜3Aの範囲でユーザーが設定できる。

 待機時の消費電流は4.5μA(標準値)と少ない。パッケージは、実装面積が3mm×3mmの16端子TQFN。動作温度範囲は−40〜+125℃。1000個以上購入時の米国での参考単価は2.36米ドルである。評価キット「MAX38889EVKIT#」を用意した。参考単価は63米ドルである。