独Infineon Technologies(インフィニオン)は、+1700V耐圧のSiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETを発売した(ニュースリリース)。同社のSiCパワーMOSFETファミリー「CoolSiC」に含まれる製品である。これまでは+650V耐圧品と+1200V耐圧品を製品化してきたが、今回新たに+1700V品を追加した。同社によると、「+1500V耐圧のSiパワーMOSFETを新製品に置き換えることで、電源回路の電力損失を50%削減でき、変換効率を2.5ポイント高められる。競合他社の+1700V耐圧のSiCパワーMOSFETと比較すると、変換効率を0.6ポイント高められる」という。

7端子TO-263パッケージに封止した+1700V耐圧SiCパワーMOSFET
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 SiCパワーMOSFETの特性は、フライバック方式の電源回路トポロジーに最適化した。ターンオンに必要なゲート-ソース間電圧は+12Vで、ターンオフに必要なゲート-ソース間電圧は0Vである。このため、一般的なフライバック方式向け電源制御ICで駆動することが可能だ。対応可能な電源回路の最大出力電力は100Wである。3相交流(AC)を入力とする電子機器の補助電源に向ける。具体的な応用先は、モーター駆動機器や太陽光発電用インバーター装置、充電インフラ装置、HVDC機器などである。

 同社独自のトレンチ技術で製造したという。オン抵抗が異なる3製品を用意した。オン抵抗が450mΩの「IMBF170R450M1」と、650mΩの「IMBF170R650M1」、1000mΩの「IMBF170R1K0M1」である(いずれも、ドレイン-ソース間電圧が+12Vのときの標準値)。例えば、IMBF170R450M1のこのほかの特性は以下の通り。最大ドレイン電流は、連続時に9.8A、パルス時に24.8A。全ゲート電荷量は11nC(標準値)。入力容量は610pF(標準値)。出力容量は16pF(標準値)。帰還容量は1.7pF(標準値)。ゲート抵抗は20Ω(標準値)。ターンオン時の遅延時間は27ns(標準値)で、ターンオフ時は32ns(標準値)。立ち上がり時間は20ns(標準値)、立ち下がり時間は24ns(標準値)。ターンオン時とターンオフ時のスイッチング損失の合計値は91μJ(標準値)である。

 3製品いずれも、パッケージは7端子TO-263(7端子D2PAK)。表面実装に対応する。動作接合部温度範囲は−55〜+175℃。すでに量産出荷を始めている。価格は明らかにしていない。