米NVIDIA(エヌビディア)は、液冷式のGPUカード(図1)を開発したと発表した 公式ブログ 。データセンター大手の米Equinix(エクイニクス)が採用し、空冷のGPUカードと比べてエネルギー効率が高いことを確認した。2022年下期には、10社を超えるコンピューター・システム・メーカーがこの液冷GPUカードを製品に組み込むという。

図1 液冷式GPUカード
図1 液冷式GPUカード
(写真:NVIDIA)
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 今回発表されたのは、AmpereアーキテクチャーのGPU「A100」*のPCI Expressカードである。詳細は発表されていないが、写真を見る限り、冷却用の液体をカードの背面から入れ、GPUチップを直接冷やした後、温度が上がった液体をカードの背面から取り出す構造のようだ。

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 NVIDIAとEquinixが今回の液冷GPUカードを使う場合と従来の空冷のGPUカードを使う場合でエネルギー効率を比較した(図2)。それによると、液冷GPUカードは冷却に必要な電力コストを空冷GPUカードよりも28%低減できる。また、設置面積効率も高まるという。冷却用の空気を通す空間が狭くて済むためとみられる。ラック数で換算すると、液冷GPUカードを使うと空冷GPUカードを使う場合に比べてラック数を66%低減可能という。

図2 エネルギー効率を比較
図2 エネルギー効率を比較
(画像:NVIDIA)
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 データ・センター・レベルの効率化に関しては、以下のように推定されるとする。すなわち、液冷式を採用するデータセンターが約30%少ないエネルギーを使用しながら、空冷施設と同じワークロードを実行できることを見いだした。データセンターのPUE(電力使用効率)は空冷式では1.6が一般的だが、液冷式にすることで、1.15を下回る可能性が見えたという。

 NVIDIAによれば、2022年下期に以下の12社を含むシステムメーカーが液冷のGPUカードを製品に組み込む予定だという。12社は台湾ASUSTeK Computer(エースーステック コンピューター)、台湾ASRock Rack(アスロック ラック)、中国Foxconn Industrial Internet(フォックスコン インダストリアル インターネット)、台湾GIGABYTE(ギガバイト)、中国H3C(New H3C Technologies)、中国Inspur Group(インスパー グループ)、台湾Inventec(インベンテック)、中国Nettrix Information Industry(ネトリクス インフォメーション インダストリー)、台湾QCT(Quanta Cloud Technology)、米Super Micro Computer(スーパー マイクロ コンピューター)、台湾Wiwynn(ウィイン)、中国xFusion Digital Technologies(xフュージョン デジタル テクノロジーズ)である。