ロームは、EMI耐量を大幅に高めたオペアンプICを2製品発売した。同社によると、「当社従来品や競合他社品を大きく上回るEMI耐量を実現した。業界最大レベルである」という。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠する。具体的な応用先は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のインバーターやエンジン制御ユニット(ECU)、車両緊急通報システム(eCall)、カーナビ装置などの車載機器のほか、FA機器や計測器、サーボシステムなどの産業機器である。

EMI耐量を大幅に高めたオペアンプIC
(出所:ローム)
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 こうした電子機器に今回の新製品を適用すれば、大きく3つのメリットが得られるという。1つ目は、EMIの影響によって発生する誤動作を防ぎやすいことである。2つ目は、設計期間を短縮しやすいこと。一般に、EMIに対する試験は、電子機器設計の最終段階に実施される。ここで試験をクリアできないと、設計の初期段階まで手戻りすることがあり、設計期間が延びてしまう。「新製品を使えば、EMI耐量が非常に高いため、オペアンプICが原因でEMI試験をクリアできないという問題を回避できる」(同社)という。3つ目は、外付けのコンデンサーと抵抗によるフィルター回路が不要になる点である。このため、実装面積や部品コストを削減できる。

 EMI耐量は、車載機器に向けた4種類の試験方法で評価した。具体的には、アンテナを使ってEMIを照射する試験規格「ISO 11452-2」、ワイヤハーネスに対して磁気的にノイズを注入するBCI(Bulk Current Injection)方式を採用した試験規格「ISO 11452-4」、近接させたアンテナからEMIを照射する試験規格「ISO 11452-9」、入力端子からノイズを直接注入するDPI(Direct Power Injection)方式を採用した試験規格「IEC 62132-4 ED-5008」の4つである。

 いずれの試験方式でも、同社従来品や競合他社品を上回るEMI耐量が得られたという。例えば、ISO 11452-2規格に準拠した試験では、新製品はEMIを照射した際の出力電圧の変動幅を±10mVに抑えられた。同社従来品はその2倍の±20mV、競合他社品はその約30倍の±300mV程度だった。4種類のノイズ試験の結果は下図に示す。

4種類の試験方法による評価結果
左上は、ISO 11452-2規格に基づく電波(EMI)放射試験の結果、右上は、ISO 11452-4規格に基づくBCI試験の結果、左下はISO 11452-9規格に基づく近接イミュニティー試験の結果、右下はIEC 62132-4規格のED-5008仕様に基づくDPI試験の結果である。いずれも、競合他社品を大きく上回るEMI耐量が得られた。(出所:ローム)
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