オーストリアamsは、回転速度が最大2万8000rpmと高いブラシレスDC(直流)モーターに適用できるロータリー位置センサーIC「AS5147U/AS5247U」を発売した(ニュースリリース)。2製品どちらも、車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100グレード0」に準拠する。AS5147UとAS5247Uの違いは、搭載したダイの枚数にある。AS5147Uは1枚のみ。AS5247Uは、同じダイを2枚積層して冗長性を高めており、ISO26262規格の「ASIL-D」に対応できる。電動パワーステアリング(EPS)やアクティブダンパー制御、電動ブレーキシステムなどに搭載するブラシレスDCモーターの制御に向ける。

発売したロータリー位置センサーICの主な用途であるブラシレスDCモーター
このICは2万8000rpmと高速回転のモーターに適用できる。amsのイメージ
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 4個のホールセンサー素子や2個の14ビットA-D変換器、アナログ・フロント・エンド(AFE)回路、コーデック回路、DSP、LDOレギュレーターなどを1チップに集積した。特徴は、「DAEC(Dynamic Angle Error Correction)」と「DFS(Dynamic Filter System)と呼ぶ2つの技術を搭載した点にある。DAEC技術は、AFE回路やコーデック回路を通過することで発生した遅延時間を、線形予測計算アルゴリズムを使って補正するもの。高速回転時でも、ほぼゼロのレイテンシーを実現できるという。DFS技術は、低速回転時に発生する遷移雑音を除去する役割を担う。同社によると、「DAEC技術を使うことで、ほぼゼロのレイテンシーかつ高い精度で回転位置を検出できるようになった。さらにDFS技術の採用で、高精度かつ低雑音での回転位置検出が可能になった」としている。

 検出結果の出力形式は、SPIとABI、UVW、PWMに対応する。測定可能な磁束密度範囲は35m〜70mT。非直線性誤差は±0.4度(標準値)。出力雑音(RMS値)は0.034度(標準値)。回転速度が1700rpm時のダイナミック角度誤差は0.02度(最大値)。2万8000rpm時のダイナミック角度誤差は0.32度(最大値)である。電源電圧は+3.3〜5V。AS5147Uのパッケージは14端子TSSOP、AS5247Uは32端子TQFP。動作温度範囲は−40〜+150℃。すでに量産を始めている。価格は明らかにしていない。