米Cirrus Logic(シーラス)は、スマートフォンやウエアラブル機器、パソコン、自動車などに向けたハプティクスドライバーIC「CS40L25/CS40L25B」を発売した(ニュースリリース)。ハプティクスとは、利用者に反発力や振動などを返すことで触感をフィードバックする手法である。実際のボタンやスイッチなどを搭載しなくても、それらを操作した感覚をユーザーに与えられる。新製品は、反発力や振動を生成するデバイスとしてリニア共振アクチュエーター(LRA:Linear Resonant Actuator)とボイス・コイル・モーター(VCM:Voice Coil Motor)に対応する。

スマートフォンやウエアラブル機器、パソコン、自動車などに向けたハプティクスドライバーIC
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 新製品の最大の特徴は、集積度が高い点にある。同社独自のDSPコア「Halo Core」や昇圧型のクラスD(D級)アンプ(ハプティクスドライバー回路)、出力電流と出力電圧の検出回路、ハプティクス波形を格納するメモリー、I2Cインターフェース、汎用入出力(GPIO)などを1チップに集積した。同社によると、「出力電流と出力電圧の検出回路を使うことでクローズドループの制御アルゴリズムを実行できるため、リニア共振アクチュエーターの効果を最大化できる」という。具体的には、出力電流と出力電圧をフィードバックし、DSPコアでリニア共振アクチュエーターのインピーダンスや共振周波数を算出し、この情報を使ってリニア共振アクチュエーターの駆動波形を最適化するという仕組みである。

 ハプティクスドライバー回路の最大出力電圧は+11Vである。このため、高速な起動や、短い時間での停止が可能だという。出力電力は5.3W(THD+Nが1%のとき)。使用できるリニア線形アクチュエーターのインピーダンスは最小6Ω。昇圧型クラスDアンプの変換効率は85%。スイッチング周波数は2MHzである。デジタル回路部の電源電圧は+1.8Vで、昇圧型クラスDアンプの電源電圧は+2.5〜5.5Vである。

 CS40L25とCS40L25Bは入出力インターフェースが異なる。CS40L25はGPIOとI2Sインターフェースを1つずつ備える。CS40L25Bは4本のGPIOを搭載した。CS40L25のパッケージは30端子WLCSP。CS40L25Bは30端子WLCSPと32端子QFNを用意した。動作温度範囲はいずれも−40~+85℃である。CS40L25Bには、車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠した製品「CS40L25B-D」も用意した。パッケージは、ウェッタブルフランクに対応した32端子QFN。動作温度範囲は−40~+105℃である。いずれの製品もすでにサンプル出荷を始めている。価格は明らかにしていない。