オランダNexperia(ネクスペリア)は、自動車やデータセンター機器、5G対応の無線通信基地局などに向けた+650V耐圧のGaN(窒化ガリウム) FET「GAN041-650WSB/GAN039-650NBB」を発売した(ニュースリリース)。特徴はオン抵抗が低いことである。TO-247パッケージに封止したGAN041-650WSBのオン抵抗は標準値が35mΩで、最大値が41mΩ。Cu(銅)クリップを用いた同社独自のCCPAKパッケージに封止したGAN039-650NBBは標準値が33mΩ、最大値が39mΩである。

 2製品どちらも、車載用ディスクリート半導体の品質規格「AEC-Q101」に準拠する。同社によると、「自動車のオンボード充電器やDC-DCコンバーターに加えて、データセンター機器や無線通信基地局の1.5k〜5kW出力の電源装置では高効率化と低コスト化のために、オン抵抗が30m〜40mΩと低い+650V耐圧のスイッチング素子が求められていた。今回の新製品は、こうした要求に合致する」という。

自動車やデータセンターなどに向けた650V耐圧のGaN FET
Nexperiaのイメージ
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 同社独自のGaN FET技術「GaN HEMT H2」を適用した。この技術では、「through-epi vias(エピ貫通ビア)」と呼ぶ手法を採用する。この結果、結晶欠陥の影響を低減するとともに、ダイ寸法を同社従来品に比べて約24%削減することが可能になったという。これがオン抵抗の低減につながった。さらに、ノーマリーオンのGaN FETを回路的にノーマリーオフのスイッチング素子として使用するためにカスコード接続方式を採用した。従って、Si製のパワーMOSFETに向けた一般的なゲートドライバーICを使って駆動することが可能だ。

 例えば、GAN041-650WSBの特性は以下の通り。最大ドレイン電流は連続時に47.2A、パルス時は240A。ゲートのしきい値電圧は、最小値が+3.4Vで、最大値が+4.5V。ゲートの漏れ電流は400nA(最大値)。全ゲート電荷量は22nC(標準値)。入力容量は1500pF(標準値)。出力容量は147pF(標準値)。帰還容量は5pF(標準値)と小さい。立ち上がり時間と立ち下がり時間はどちらも10ns(標準値)。動作接合部温度範囲は−55〜+175℃。

 2製品どちらも、すでにサンプル出荷を始めている。価格は明らかにしていない。