米Analog Devices(ADI)は、A-D変換器ICや完全差動アンプIC(FDA)、受動部品などを1パッケージに収めたデータ収集用モジュールを発売した。センサーなどが出力する信号の増幅やフィルタリングなどを担うシグナルコンディショニング回路を1つのパッケージに収めた。パッケージは、実装面積が9mm×9mmと小さい100端子CSP BGA。「新製品を使えば、ディスクリート部品を組み合わせする場合に比べて、基板上の実装面積を約1/4に削減できる。また、部品の選定や回路の最適化設計、レイアウト設計などの作業が不要になり、開発期間の短縮が可能である」(同社)。具体的な応用先は、電力測定器や電力アナライザー、電子制御ユニット(ECU)のテストに向けたHIL(Hardware In the Loop)装置、非破壊検査装置、質量分析装置、進行波故障点測定装置などである。

電力測定などに向けた16ビット分解能のA-D変換モジュール
(出典:Analog Devices)
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 内蔵したA-D変換器ICは逐次比較(SAR)型で、分解能は16ビット、最大サンプリング速度は15Mサンプル/秒である。このA-D変換器ICを駆動する完全差動アンプICを搭載したため、「−1~+4Vと広いコモンモード入力電圧範囲と、96dBと高いコモンモードノイズ除去比(CMRR)を実現できた」(同社)。受動部品は同社独自の製造技術「iPassives」で作り込んだ。この製造技術を使うことで、例えば完全差動アンプICの抵抗アレー素子の誤差を0.005%に抑え込んだという。

新製品の内部ブロック図
(出典:Analog Devices)
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 新製品は同社のモジュール製品ファミリー「μModule」に含まれ、型番は「ADAQ2387」である。入力電圧範囲は±2.048V(基準電圧が+4.096Vのとき)。積分非直線性誤差(INL)は±1LSB(最大値)。SINAD(Signal-to-Noise and Distortion Ratio:信号対雑音+ひずみ比)は89dB(1kHzにおける標準値)。全高調波ひずみ(THD)は−115dB(1kHzにおける標準値)である。デジタル信号に変換した測定データは、LVDSインターフェースを介して出力する。消費電力は、15Mサンプル/秒動作時に143mW(標準値)。動作温度範囲は−40~+85℃。現在、サンプル出荷と量産出荷中。1000個購入時の参考単価は27.55米ドルである。

 このほか、入力電圧範囲や分解能が異なる2製品を用意した。1つは、入力電圧範囲が±10V、±5V、±4.096V、±2.5V、±1.5V(基準電圧が+4.096Vのとき)の16ビット分解能データ収集モジュール「ADAQ23876」。現在サンプル出荷中で、量産は2021年8月に始める予定。1000個購入時の参考単価は32.55米ドル。もう1つは、入力電圧範囲が±10V、±5V、±4.096V、±2.5V、±1.5V(基準電圧が+4.096Vのとき)の18ビット分解能データ収集モジュール「ADAQ23878」である。現在サンプル出荷中で、21年9月に始める予定。1000個購入時の参考単価は39.55米ドルである。