米Qualcomm Technologies(クアルコム・テクノロジーズ)は、IoTエッジ機器向けのSoC(System on a Chip)7製品を一気に発表した。同社はIoT分野において1万3000以上の顧客を持っており、今回の新製品や2021年5月に発売の5GモデムIC「Qualcomm 315」*の市場投入によって、同分野の強化を図る。

 今回発表した7製品は「QCS8250」、「QCS6490」/「QCM6490」、「QCS4290」/「QCM4290」、「QCS2290」/「QCM2290」である。以下、各製品の概要を紹介する。

7製品が狙う用途
製品番号の3文字目が「M」の製品はセルラーモデム内蔵。「S」の製品は同モデムを内蔵しない。また全製品いずれもWi-Fiモデムは外付けする。(出所:Qualcomm Technologies)
[画像のクリックで拡大表示]

 QCS8250は、スマートカメラやAIハブ、ヘルスケア、スマートリテールなどに向ける。CPUは8コアの「Kryo 585」(2.85GHz動作の「Kryo Gold」4個、1.8GHz動作の「Kryo Silver」4個)。GPUコア「Adreno 650」、DSPコア「Quad HVX(Hexagon Vector eXtension)拡張付きHexagon」、ISPコア「Spectra 480」、NPU(Neural Processing Unit)コアなどを集積する。ISPは最大7台のカメラ(最大4K解像度、最大120フレーム/秒の速度)を同時にサポートする。Hexagonなどを利用しての推論処理性能は15TOPS。ファウンドリーのいう「7nm」プロセスで製造する。モデムチップを外付けすれば、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1、5G通信に対応できるという。OSはAndroid 10をサポートする。

 QCS6490/QCM6490は、輸送や倉庫、ヘルスケア、物流管理、小売りPOS/キオスク、ハンドヘルド/タブレット端末、産業用スキャナー、HMIシステムなど幅広い用途に向ける。CPUは8コアの「Kryo 670」(2.7GHz動作の「Kryo Gold」1個、2.4GHz動作の「Kryo Gold」3個、1.9GHz動作の「Kryo Silver」4個)。GPUコア「Adreno 642L」、VPUコア「Adreno 633」、DSPコア「Dual HVX拡張付きHexagon」、ISPコア「Spectra 570L」などを集積している。ファウンドリーのいう「6nm」プロセスで製造する。ISPは最大5台のカメラを同時にサポート可能である。Hexagonなどを利用しての推論処理性能は12TOPS。QCM6490は5Gモデムを集積し、QCS6490は同モデムを集積しない。両製品ともモデムチップを外付けすれば、Wi-Fi 6EやBluetooth 5.2に対応できる。

 QCS4290/QCM4290はカメラや産業用ハンドヘルド端末、セキュリティーパネルなどに向ける。CPUは「Kryo 260」を8コアで構成する(最大動作周波数2.0GHz)。GPUコア「Adreno 610」、DSPコアのDual HVX拡張付きHexagon、ISPコアなどを集積している。QCM4290はLTE Cat. 13対応モデムも集積する。QCS4290は同モデムを集積しない。両製品とも外付けでモデムチップを接続すれば、Wi-Fi 5やBluetooth 5.0に対応できる。ファウンドリーのいう「11nm」プロセスで製造する。

 QCS2290/QCM2290は、小売りPOSや産業用ハンドヘルド端末、トラッキングカメラなどに向ける。CPUには「Arm Cortex-A53」を4コア搭載する(最大動作周波数2.0GHz)。GPUコア「Adreno 702」、センサー出力/オーディオ処理用DSPコア、ISPコアなどを集積している。QCM2290はLTEモデムも集積する。QCS2290は同モデムを集積しない。両製品とも外付けでモデムチップを接続すれば、Wi-Fi 5やBluetooth 5.0に対応できる。なお、QCS2290/QCM2290は、それぞれQCS4290/QCM4290とピン互換という。

 7製品のうち、QCS8250、QCS4290/QCM4290、QCS2290/QCM2290は現在量産出荷中。QCS6490/QCM6490は21年下期に出荷予定である。価格は未公表。