ルネサス エレクトロニクスは、産業用モーター制御に向けたインダクティブ(電磁誘導)方式の位置センサーIC「IPS2200」を発売した(ニュースリリース)。プリント基板に作り込む配線で形成したコイルを使って金属ターゲットの位置を検出する。磁石を使わないため、周辺磁界の影響を受けづらいというメリットがある。さらに、これまで一般的に使われてきた回転角センサーであるレゾルバーに比べると、厚さを最大で1/10に、重さを最大で1/100に削減できるという。対応するモーターの回転速度は最大25万rpmと高く、動作温度範囲は−40〜+125℃と広い。産業機器や医療機器、ロボットなどに搭載するモーターの制御に向ける。

産業用モーター制御に向けたインダクティブ方式の位置センサーIC
ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 コイルは3つ用意する必要がある、1つは送信用コイルで、残る2つは受信用コイルである。2つの受信コイルは、出力の位相が90度ずれており、一方がcos出力、もう一方がsin出力になる。まずは、AC(交流)電流で送信用コイルを駆動し、AC磁界を発生させる。すると、AC磁界によって、2つの受信用コイルに誘導電圧が発生する。金属ターゲットが存在しなければ、2つの出力はバランスがとれており、出力電圧はゼロになる。しかし、金属ターゲットが存在すると、それに渦電流が生じて磁界が発生する。この磁界によって、金属ターゲットの真下にある受信用コイルは、磁束密度が減少し、誘導電圧が減ってしまう。従って、2つの出力のバランスが崩れて、出力電圧が発生する。これを検出することで金属ターゲットの回転位置を検出する。

 検出可能な回転角度の範囲は0〜360度。検出誤差は、フルスケールの0.2%(最大値)である。伝搬遅延時間は10μsと短いため、最大25万rpmと高速な回転に対応できるとする。起動時間は3ms(最大値)。オンアクシス(軸上)とオフアクシス(軸外)の回転位置検出のほか、リニア動作の検出や円弧動作の検出にも使える。各種パラメーター設定用の不揮発性メモリーを搭載しており、I2<.sup>CバスもしくはSPIインターフェースを介してユーザーが設定できる。

 過電圧保護機能や逆極性保護機能、短絡保護機能などを備える。電源電圧は+3.0〜3.6V、もしくは+4.5〜5.5Vのいずれかを選択できる。パッケージは、実装面積が4.4mm×5.0mmの16端子TSSOP。すでに販売を始めている。1000個購入時の米国での参考単価は4.22米ドルである。このほか、送信用コイルと受信用コイルの設計に向けたツールや、その最適化に向けたツール、評価キット「IPS2200STKIT」も用意している。