独Infineon Technologies(インフィニオン)は、放射線耐性を備えたパワーMOSFETを14製品発売した(ニュースリリース)。米国の「QPL(Qualified Product List)」仕様に準拠する。放射線耐性は300krad(Si)を確保した。さらにトータルドーズ効果とシングルイベント効果(SEE:Single Event Effect)については、線エネルギー付与(LET:Linear Energy Transfer)が最大90MeVcm2/mgまで発生しないことを確認済みだ。宇宙衛星の電源分配システムや、ペイロード用電源モジュール、宇宙用DC-DCコンバーターなどに向ける。

放射線耐性を備えたパワーMOSFET
同社が独自開発したパッケージ「SupIR SMD」に封止した。Infineon Technologiesの写真
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 いずれの製品も、高い信頼性が求められる用途に向けて同社が独自開発したパッケージ「SupIR SMD」に封止する。このパッケージの特徴は、パワーMOSFETチップで発生した熱を、プリント基板上の放熱電極に直接放散できる点にある。同社によると、「宇宙用パワーMOSFETに向けた従来の一般的なパッケージに比べると、実装面積は約37%減、重量は約34%減、電力密度は約33%増を実現できる」という。

 発売した14製品のうち、nチャネル品は10製品、pチャネル品は4製品である。耐圧は、nチャネル品が+30V耐圧品、+60V耐圧品。+130V耐圧品、+150V耐圧品、+200V耐圧品、+250V耐圧品を用意。Pチャネル品には、−30V耐圧品と、−60V耐圧品、−100V耐圧品、−200V耐圧品がある。例えば、+250V耐圧のnチャネル品「IRHNS67264」の特性は以下の通りである。最大ドレイン電流は、連続時に50A、パルス時に200A。オン抵抗は、ゲート-ソース間電圧が+12Vのときに40mΩ(最大値)。全ゲート電荷量は220nC(最大値)。入力容量は6912pF(標準値)。出力容量は940pF(標準値)。帰還容量は10.8pC(標準値)。ゲート抵抗は0.52Ω(標準値)。ターンオン時の遅延時間は50ns(最大値)、ターンオフ時は100ns(最大値)。立ち上がり時間は150ns(最大値)。立ち下がり時間は50ns(最大値)である。

 14製品いずれも、動作接合部温度範囲は−55〜+150℃。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。