DMG森精機は、工作機械上で工具を計測・補正するシステム「ツールビジュアライザー」を発売した。非接触で工具の形状を取得して工具長と工具径を測る他、折損や切りくずの巻きつきといった工具の異常も検出できる。

 新システムは、機内に搭載したカメラと対物レンズ、反射照明、透過照明を利用する(図1)。まず加工前に、機械へセットした状態の工具を撮影。オペレーションシステム「CELOS」への簡単な情報入力により、干渉チェック用の3Dモデルを作成する(図2)。次に、機械に取り付けたままの実加工に近い状態で工具を計測し、補正する。

図1:「ツールビジュアライザー」による計測
(出所:DMG森精機)
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図2:作成した干渉チェック用の3Dモデル
(出所:DMG森精機)
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 加工後には刃先を自動で撮影。これによって刃先の状態を確認し、画像と摩耗量を時間ごとに把握できる(図3)。22年1月以降には、人工知能(AI)を活用して刃先の摩耗量を数値化し、工具寿命を予測する機能も追加する予定だ。

図3:工具刃先の摩耗量の計測
(出所:DMG森精機)
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 従来は、工具モデルの登録や工具長の計測、刃先の状態把握をそれぞれ機外で実施しなければならず、段取り時間が増えるのが課題だった。例えば工具モデルを登録する際は、工具メーカーやホルダーメーカーのWebサイトからパソコンにモデルをダウンロードし、それを工作機械に登録する必要があった。さらに、ツールプリセッターを使って工具長を計測した上で機械に取り付け、段取り完了後に加工を開始。加工後は、次回の加工不良を防ぐために顕微鏡で刃先の摩耗量を確認していた。

 それに対して新システムは、工具を機械から取り外すことなく3Dモデルの登録から計測、状態把握までを実現できる。非接触のため、工具の形状や計測ポイントに左右されず、小径から大径までのさまざまな工具を測れる。加えて、自動撮影のため毎回同じ条件での撮影が可能。作業者のスキルによるバラつきが生じず、生産性の低下や加工不良の発生も防げるという。

 新システムは、5軸複合加工機「NTX2000/1500 2nd Generation」「同2500/1500 2nd Generation」「同3000/1500 2nd Generation」に搭載できる。価格は380万円(税別)。