エイブリックは、動作温度範囲が−50〜+150℃と広いZCL(Zero Crossing Laatch)検知方式のホールセンサーIC「S-576Z Rシリーズ」を発売した(ニュースリリース)。ブラシレス直流(DC)モーターの駆動制御に向ける。同社によると、「−50℃の極寒の地や、直射日光にさらされて周囲温度が+150℃に達する危険性がある自然環境下でも安定して動作させることが可能。特に、−50℃まで動作保証した表面実装型のブラシレスDCモーター用ホールセンサーICの製品化は業界初」という。具体的な応用先は、第5世代移動通信システム(5G)向け基地局のアンテナ駆動や、屋外設置の電動バルブ用アクチュエーターの駆動、可動式監視カメラ、低温冷凍庫用ファン、電動スノーモービル、雪上車などである。

動作温度範囲が−50〜+150℃と広いZCL検知方式のホールセンサーIC
エイブリックのイメージ
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 今回採用したZCL検知方式は、磁石の回転によって発生する磁束密度がゼロ(0T)に達したことを検出して出力信号を変化させるもの。同社によると、「従来の単極検知方式や両極検知方式、交番検知方式と比較すると、温度や公差(磁石とホールセンサーICとの距離)の変化による磁束密度の変動に影響されず、ブラシレスDCモーターを安定して制御することが可能になる」という。なお、ZCL検知方式を採用したホールセンサーICとしては、一般民生機器向けの「S-576Zシリーズ」(関連記事:ZCL検知方式を採用したホール効果センサーIC、エイブリックが民生機器向けを発売)や、車載機器向けの「S-57TZシリーズ」(関連記事:車載機器に向けたZCL検知方式のホール効果センサーIC、エイブリックが発売)などをすでに製品化している。

 ホール効果センサー素子やチョッパーアンプ回路、レギュレーター回路、出力電流制限回路などを1チップに集積した。検知点(ゼロクロスラッチ点)は0.0mT(標準値)。解除点(BRS)は3.0mT(標準値)、もしくは6.0mT(標準値)のどちらかを選択できる。チョッピング周波数は500kHz(標準値)。出力遅延時間は8.0μs(標準値)。出力信号の論理形式はnチャネルのオープンドレイン出力、もしくはnチャネルドライバー+内蔵プルアップ抵抗(1.2kΩ)のどちらかを選択できる。電源電圧は+2.7〜26.0V。パッケージは3端子TSOT-23。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。