東芝デジタルソリューションズ(川崎市)は、人工知能(AI)・IoT(Internet of Things)技術を用いて作業員の情報を収集・見える化・分析するソリューション「Meister Apps 現場作業見える化パッケージ」の提供を開始した(ニュースリリース)。作業員の位置や動作、発話などを分析することで、製造現場における作業効率と生産性の向上を図れる。

 現場作業見える化パッケージは[1]位置データ収集機能、[2]動作データ収集機能、[3]音声配信機能、[4]各種の見える化テンプレートから成る(図1・2)。[4]としては、位置・動作データの集計とグラフ(積み上げグラフ、タイムライン、ヒートマップなど)表示のテンプレートを用意する。

図1:「Meister Apps 現場作業見える化パッケージ」の概要
(出所:東芝デジタルソリューションズ)
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図2:「Meister Apps 現場作業見える化パッケージ」のユースケース
(出所:東芝デジタルソリューションズ)
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 [1]は、作業エリアに配置したビーコンデバイスの電波をスマートフォンで受信して、作業員の位置を特定する。ストップウオッチやビデオ撮影を利用する方法に比べて、容易かつ短時間にデータを収集・分析できる。

 [2]では、作業員の腕に取り付けたリストバンド型生体センサーを利用。腕の動きの加速度データから、その作業員の行動をディープラーニング(深層学習)技術で推定する。分析には、同社のAI分析の知見を集積・標準化し、目的ごとに特化させたAI分析サービス「SATLYSKATA作業行動推定」を採用している。

 これらにより、5W1Hで現場作業の実態を把握でき、標準作業と実績の差の確認や非効率作業(ムダ)の発生ポイントの把握、作業員ごとの作業負荷のバランス調整などに生かせる。ボトルネックになっている作業を発見する、作業手順の変更前後を比較する、作業負荷の偏りを見つけるための工数を削減する、といった活用も可能だ。

 [3]は、作業者が発する音声を無線通信で配信する機能。作業員同士の会話に加えて、作業エリアから離れた場所からの情報伝達にも使える。設備などの外部システムから音声を配信するためのAPI(Application Programming Interface)も提供しており、設備の異常を音声で知らせる仕組みを構築すれば、異常発生時の状況把握と作業指示を遠隔から即座に実行できる。

 同社は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした利用も提案する。例えば、ビーコンやスマートフォンの位置情報から、作業エリア内の密集状況をチェック。過密でソーシャルディスタンスを確保できないときは、アラートを発報させられる。リストバンド形生体センサーは、作業員の体調チェックにも使える。

 同社は現場作業見える化パッケージを、サブスクリプションサービスとして提供する。一式には、生体センサーやビーコンなどのデバイス類、データの収集・蓄積に用いるネットワーク、パソコンなどの情報機器類、データの見える化・分析で使用するソフトやテンプレート類が含まれる。