伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、次世代車載MCU「Stellar SR6ファミリー」を2024年に量産開始の予定だと発表した。プログラム格納用の不揮発性メモリーとして、現在主流のフラッシュメモリーではなく、相変化メモリーを集積するなど、これまでの延長線上にない新しいMCUである。

 同社はこのMCUについて、これまでも何回か発表してきた。例えば、18年12月には、相変化メモリーを集積し、28nm FD-SOIプロセスで製造することを学会発表した*1。続いて19年2月には、CPUコアとして「Arm Cortex-R52」を集積することや、このMCUのサンプルチップを搭載した制御ボードを顧客が評価中であることなどを明らかにしている*2。今回、量産開始のターゲット時期や、2つの製品シリーズおよびその仕様などを明らかにした。

 2つの製品シリーズに共通する特徴として、同社は、リアルタイム性、機能安全性、およびセキュリティーを挙げる。例えば、リアルタイム処理向けCPUコアのCortex-R52を10個集積し、このうち8個(4組)は常時ロックステップ動作する。残り2個は、ロックステップ動作か、2個独立動作が選べる。前者を選ぶと、実質5個のCortex-R52が利用でき、後者を選ぶと同6個のCortex-R52が利用できることになる。

Stellar SR6ファミリーの特徴
(出所:STMicroelectronics)
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 2重化されているのは、Cortex-R52だけではない。相変化メモリーも2重化されている。通常動作時は両方に同じ内容が保持されるが、OTA(Over The Air)アップデート時には、一方の内容で動作を続けながら、もう一方に新しい内容を入れることができる。こうした2重化によって、ISO26262 ASIL-Dに準拠する機能安全性を担保可能だという。

 セキュリティーでは、例えば、ハードウエアのハイパーバイザーを集積した。1つのMCUに複数の仮想マシンを立ち上げることができる。各仮想マシンは、ファイアウオール機能などによって保護され、干渉を受けないという。また、EVITA(E-safety Vehicle Intrusion Protected Applications)準拠のHSM(Hardware Security Module)を集積し、EthernetやCAN FD、LINなどの車載LANを保護する。

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