岩間工業所(静岡市)はアディティブ製造装置(3Dプリンター)と同様の使い勝手で操作できる切削加工機「ALMODEL(アルモデル)」を「第34回設計・製造ソリューション展」(2022年6月22~24日、東京ビッグサイト)に出展した()。3Dプリンターで3次元形状の表現に多用されるSTLデータを転送すれば、その後はほとんど操作せずにアルミニウム合金やプラスチックの切削加工品を得られる。2013年にもSTLデータを基に加工できる装置として発売の意向を示していたが、ユーザーの反応が鈍かったため断念していた。その後3Dプリンターの普及が進んだため、同様の操作で金属製の製品を容易に素早く得たいというニーズが高まっているとみて、改めて発売することにした。

図 岩間工業所の「ALMODEL」
図 岩間工業所の「ALMODEL」
切削機だが3Dプリンターと同様の操作で使える装置として開発。(写真:日経クロステック)
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 ALMODELはSTL形式のデータを受けると、自動的にCAMでの計算を実行して切削工具の径路データを生成できるようにする。3D-CAD/CAM/CAEの「Fusion 360」(米Autodesk)を利用してこうした自動計算機能を開発中という。加工前の座標位置合わせや刃物長測定の作業も自動化しており、ユーザーが行うのはほぼホルダーのセッティングのみ。ワークの固定やワークの基準位置出し作業は単純化。加工機内で回転する治具機構で、ワークの表裏両面からの加工を可能にし、段取り替えを不要にした。

 「2013年当時は切削加工に詳しい人に対して『簡単に操作できる』と説明するしかなかった」(岩間工業所)のに対して、現在は製造現場も3Dプリンターの使い勝手に慣れた。一方「切削加工の知識や事前作業になじみのない人が増えた」(同)と考えられる。プラスチックで造形する3Dプリンターのユーザーに対して、高価な金属3Dプリンターでなくても「金属製の成果物を得る手段があって、加工時間は(3Dプリンターよりも)短い」(同)点を訴求していく。

 3Dプリンターの普及と並行して、IoT(Internet of Things)の考え方が一般化したのも2013年当時からは大きく変化している。遠隔からの監視システムや遠隔サポートなど、ネットワーク接続とソフトウエアを生かした機能も強化する方針。「社内にもソフトウエア関連の技術者が増えた。顧客の意見を聞きながら今の時代に即して発展させたい」(同)という。価格は未定だが「(現状の3Dプリンターの価格を前提として)安価である必要があると考えている」(同)。