独Infineon Technologies(インフィニオン)は、電気自動車やハイブリッド車などに向けたLi(リチウム)イオン2次電池用電池管理(BMS:Battery Management System)IC「TLE9012AQU」を発売した(ニュースリリース)。最大12個のLiイオン2次電池セルを直列に接続した電池パックに適用できる。さらに新製品を最大20個まで接続して使えるため、大型の電池パックへの適用も可能だ。各電池セルの端子電圧を測定する機能と、各電池セルのエネルギー容量を均等化するセルバランシング機能を搭載した。特徴は、電圧検出誤差が±5.8mVと小さいことである。このため各電池セルの充電率(SoC:State of Charge)や、劣化時の満充電容量(SoH:State of Health)を高精度で算出できるようになるという。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠するほか、自動車用機能安全規格「ISO 26262 ASIL-C」への対応が可能とする。

電気自動車やハイブリッド車などに向けたLiイオン2次電池用電池管理IC
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 電圧測定機能に向けて、12個の16ビット分解能A-D変換器を集積した。ΔΣ方式を採用する。ノイズフィルターを搭載しているため、外来ノイズなどの影響を排して、高い精度で各電池セルの端子電圧を測定できるという。セルバランシング機能はアクティブ方式を採用する。各電池セルにスイッチを1個、すなわち12個のスイッチを内蔵しており、これを使って各電池セルのエネルギー容量を均等化させる。スイッチを介して移動できる電流は最大150mAである。セルバランシング機能は、最大32時間のタイマー、もしくは各電池セルの端子電圧を使って止めることができる。従って、外付けマイコンから制御信号を入力する必要がない。

 今回の新製品を複数個接続するときに使うインターフェースには、絶縁型UART(iso UART)を採用した。データ伝送速度は2Mビット/秒。セルバランシングに関するデータのやり取りも可能だ。このほか、温度センサーを1個内蔵したほか、最大5個の外付けNTCサーミスターを接続する端子を用意した。これを使って、電池パックの温度を測定し、電圧測定時の温度補正に利用できる。汎用入出力(GPIO)は4本搭載した。

 待機時の消費電流は3μA。パッケージは、実装面積が7mm×7mmの48端子TQFP。最大動作接合部温度は+150℃。量産は2020年7月に開始する予定。価格は明らかにしていない。