米Texas Instruments(TI)は、実装面積が2.9mm×3.3mmと小さい56端子WCSPに封止したLiイオン/Liポリマー2次電池用充電IC「BQ25790」を発売した(ニュースリリース)。4つのスイッチング素子から成る昇降圧型DC-DCコンバーターで構成した。同社によると、「業界最小の昇降圧型充電IC」という。さらに、出力電力密度は155mW/mm2であり、「競合他社品と比べると最大で2倍である」(同社)とする。1〜4セルのLiイオン/Liポリマー2次電池を直列に接続した電池パックの充電に使える。最大充電電流は5Aと大きい。具体的な応用先は、スマートフォンやタブレット端末、ドローン、ワイヤレススピーカー、デジタルカメラ、携帯型プリンター、POS(Point Of Sales)端末などである。

実装面積が2.9mm×3.3mmと小さい56端子WCSPに封止したLiイオン/Liポリマー2次電池用充電IC
Texas Instrumentsのイメージ
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 4つのスイッチング素子から成る昇降圧型DC-DCコンバーターのほか、2入力対応のセレクター回路や充電電流検出回路、電池接続用FET(QBAT)、位相補償回路、16ビット分解能のA-D変換器、NVDC充電に対応した電力経路マネジメント回路、I2Cインターフェースなどを1チップに集積した。2入力対応のセレクター回路を内蔵したため、USB Type-C端子やUSB PD(Power Delivery)端子、ワイヤレス充電、DC入力端子(バレルジャック)、太陽電池などの中から2種類の電力供給源を選び、切り替えて使用することができる。

 入力電圧範囲は+3.6〜24V。充電電圧は+3.0〜18.8Vに対応する。昇降圧型DC-DCコンバーターのスイッチング周波数は750kHzと1.5MHzのどちらかを選択できる。4つのスイッチング素子のオン抵抗は20mΩ(標準値)、30mΩ(標準値)、22mΩ(標準値)、13mΩ(標準値)。充電電圧の誤差は±0.5%(2セル直列の電池パックの場合)。充電電流の誤差は±5%である。変換効率は、+9V入力で、2セル直列の電池パックを充電したときに96.5%が得られる。

 静止時の消費電流は最大1μAで、シャットダウンモード時は600mA(標準値)である。「シャットダウン時の消費電流が少ない上に、出荷モードを備えているため、電池パックの保管可能な期間は、競合他社品に比べて5倍程度に延ばせる」(同社)という。サーマルレギュレーション機能やサーマルシャットダウン機能、入力/電池用過電圧保護機能、入力/電池用過電流保護機能、スイッチング素子の過電流保護機能、充電用タイマー機能などを備える。動作温度範囲は−40〜+85℃である。このほか、実装面積が4mm×4mmの29端子QFNパッケージに封止した「BQ25792」も用意した。1000個購入時の参考単価は2製品どちらも2.29米ドルである。