米Texas Instruments(TI)は、測定誤差が±1.5%(標準値)と小さい相対湿度(RH:Relative Humidity)センサーICを2製品発売した。同社によると「業界最高の測定精度を実現した」という。具体的な応用先は、冷蔵庫/冷凍庫や空調機器、車載/輸送機器、コールドチェーン対応のアセットトラッカーやデータロガー、IoT対応環境センサー、加湿器/除湿器などである。「例えば、輸送機器に使えば輸送中や保管中の製品の寿命を延ばせるようになり、空調機器に使えば建物内の空気の品質や流量を制御できるようになる」(同社)という。

測定誤差が±1.5%(標準値)と小さい相対湿度センサーIC
(出所:Texas Instruments)
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 相対湿度の測定範囲は0〜100%である。湿度の測定には、容量方式を採用した。相対湿度によってポリマー誘電体によるコンデンサーの静電容量が変化することを利用して測定する。経年変化や、環境的なストレス、汚染物質との接触などを原因とするドリフトを補正する機能を搭載した。このため、経年変化によるドリフトは1年当たり最大0.21%RHに、温度や湿度の環境的なストレスによるドリフトを最大5%RHに抑えられる。結露から湿度センサーを保護するために、ヒーターを内蔵した。

AEC-Q100準拠品を用意

 発売した2製品の型番は「HDC3020」と「HDC3020-Q1」である。後者は、車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠しているが、前者は準拠していない。集積した回路や特性などは、2製品どちらも同じである。例えば、集積した回路は、相対湿度センサーのほか、温度センサーやA-D変換器、ドリフト補正用メモリー、線形化(リニアライゼーション)回路、I2Cインターフェース回路などである。

新製品の内部ブロック図
(出所:Texas Instruments)
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 温度の測定範囲は−40〜+125℃で、測定誤差は±0.1%(標準値)である。相対湿度センサーと温度センサーはどちらも、米国国立標準技術研究所(NIST)が定める国家標準にトレーサブルな製造装置や測定器を使ってテストやトリミングを実施したという。さらに、その製造装置や測定器は、試験機関や校正機関の能力に関する一般要求事項を定める標準規格「ISO/IEC 17025」に準拠する。電源電圧範囲は+1.62〜5.50V。平均の消費電流は0.7μAと少ない。

 2製品どちらも、すでに販売を始めている。1000個購入時の参考単価は1.65米ドルからである。今後同社は、相対湿度センサーICの品ぞろえを拡充する予定だ。2021年末までに、アナログ信号出力品や、保護カバー付きパッケージ封止品などを販売する予定。